赤ちゃんの赤いあざは消える?苺状血管腫の原因とレーザー・薬の治療
約10%の赤ちゃんに苺状
目次
1. 苺状血管腫とは:赤ちゃんにできる赤いあざの原因の一つ
赤ちゃんの顔や腕の赤いあざは、苺状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)の可能性があります。鮮やかな赤色であることが多く、盛り上がっていて、表面はいちごのようにプツプツとしていることが特徴的です。
苺状血管腫は4%から10%の赤ちゃんに現れます。赤ちゃんにできるので乳児血管腫とも言います。海外では英語でstrawberry markなどと言いますが、infantile hemangioma(乳児血管腫)という呼び方のほうが一般的になってきています。
生後3〜4週からできはじめ、6〜7ヶ月まで大きくなります。顔や腕にできることが多く、外見的に目立ってしまうことが多いです。悪い病気ではないので、放っておいても問題ありません。数年で自然に消えてなくなるのですが、少し跡が残ってしまいます。
2. 苺状血管腫の原因について
未熟な
3. 苺状血管腫の治療:レーザー治療・薬物治療
苺状血管腫の治療はレーザー治療が主体になります。その他にも薬物療法が選択肢として存在します。
レーザー治療
苺状血管腫の治療にレーザー治療は有効です。
苺状血管腫は数年で自然に消えてなくなります。このため、以前は何も治療をせず、様子を見る方針が主流でした。
しかし苺状血管腫は顔や腕など目立つ部位にできやすく、皮膚に跡が残ることが多いため、最近では積極的にレーザー治療を行うことが増えています。
何も治療しなくても跡を残さず消える場合もあります。レーザー治療をするべきかどうかは、苺状血管腫の大きさや場所、全身の状態などを含めて判断する必要があります。
薬物治療
苺状血管腫に対して次の薬が使われています。
- β遮断薬
ステロイド の塗り薬- ステロイドの飲み薬
一般的な苺状血管腫ではステロイドの塗り薬が使われます。
苺状血管腫が非常に大きい、
4. 苺状血管腫で知っておくとよいこと
苺状血管腫のように見た目が特徴的な病気では疑問や不安がより身近なものとして感じるかもしれません。このページでは、疑問や不安をベースにして知っておくとよいことをまとめます。
苺状血管腫は頭皮にできることもあるのか
苺状血管腫は頭皮にできることもあります。その場合、あざからは髪の毛は生えてきません。
苺状血管腫は遺伝するのか
苺状血管腫は基本的に遺伝することはないと考えられています。
苺状血管腫は「血管腫」とは違うのか
血管腫とは未熟な毛細血管が異常に増殖した状態を指します。苺状血管腫(幼児血管腫、乳児血管腫)も血管腫の一種です。
血管腫にはほかにもいくつか種類がありますが、ほとんどは苺状血管腫とは関係ありません。血管腫の種類や、似たような病気を紹介します。
■老人性血管腫
年をとるにつれて、体に小さくて鮮やかな紅色の盛り上がったできものがたくさん出来てきます。特に悪さはしません。
カサバッハ・メリット症候群は、巨大な血管腫、
ステロイドや
■単純性血管腫(ポートワイン母斑)
毛細血管が拡張した赤いあざです。生まれたときから存在し、自然に消えることはないので、早めにレーザー治療をした方がよいと考えられています。
自然に生えてなくなることの多いサーモンパッチやウンナ母斑も、広い意味では単純性血管腫に含まれます。「サーモンパッチとは?赤ちゃんのまぶたの痣の原因と治療」で説明しているので、参考にしてください。
■海綿状血管腫
海綿状血管腫(かいめんじょうけっかんしゅ)は、静脈が拡張した正常の皮膚の色〜青〜紫色のあざです。皮膚の下にある柔らかいできものとして、触れることができます。自然に消えることはなく、治療法は手術で切り取るかや薬物を使った硬化療法うを行います。
■蜘蛛状血管腫
蜘蛛状血管腫(くもじょうけっかんしゅ)は、中央に直径数mmの赤い
顔、首、肩、胸、手にできることが多く、妊娠や
自然に消えることもあり、またレーザー治療が効きます。
苺状血管腫が大人になっても消えないことはあるのか
苺状血管腫の赤いあざは生後数年で自然に生えてなくなるのですが、跡が残ることが多いです。特に以下のような特徴を持つ場合、跡が残りやすいです。
- 盛り上がりが強い
- 唇や鼻、耳にできた
- 大きい
- 生後6ヶ月を過ぎても大きくなっている
レーザー治療やステロイド治療が望ましい可能性もありますので、皮膚科や形成外科を受診してみてください。
苺状血管腫から出血すると危険なのか
子どもの苺状血管腫に気づいたご両親は出血を心配することが多いのですが、出血することは少ないです。もし出血しても、押さえれば普通の皮膚と同じように血は止まります。
確かに苺状血管腫は鮮やかな赤色をしているのですが、出血について心配しすぎる必要はありません。