避妊
避妊の方法としてコンドーム以外にも経口避妊薬(ピル)や子宮内避妊器具(IUD)と呼ばれるものがあります。それぞれのメリット・デメリットなど、避妊の疑問について解説します。
最終更新: 2020.05.11

アフターピル(緊急避妊薬)とは?

アフターピル(緊急避妊薬)は、避妊に失敗した性交渉の後に、妊娠を避けるために使う薬です。あくまで緊急用なので、使い方や効果は日頃から飲む低用量ピルと同じではありません。アフターピルで妊娠を回避した後は、より確実な低用量ピルの定期的な内服が望ましいです。

1. アフターピル(緊急避妊薬)とは?

アフターピルは「性交中にコンドームが破れたり外れたりした」、「レイプされた」など、避妊に失敗した性交渉後に妊娠を回避するために利用します。重要なのは、性交渉後72時間以内に服用することです。

黄体ホルモン(レボノルゲストレル:LNG)製剤のノルレボ®レボノルゲストレルを1回服用することで、妊娠を92-95%回避できます。

2. アフターピル(緊急避妊薬)の避妊率は? 副作用は?

内服後は次の月経がいつ来るかを確認するようにしてください。アフターピルを飲んだ80%の女性で予定月経前または予定月経開始日2日以内に月経があり、95%の女性で予定月経日の7日以内に月経があります。もし「予定月経より7日以上遅れる」、「内服して3週間以上月経がない」、「出血はあったがごく少量」、という場合は妊娠している可能性があるため産婦人科を受診してください。

副作用は、日本国内の研究で内服した女性の8%前後にみられ、吐き気(2.3%)、腹痛などの胃腸障害(4%)、頭痛(1.4%)程度です。92%には副作用が認められませんでした。

3. アフターピルを飲んでも妊娠する可能性はある?

万が一なんらかの原因により妊娠を望まない状況で膣内に射精されたとしてもアフターピルによって高い確率で避妊が行えます。

しかし、アフターピルは、内服直前の性交渉に対して避妊効果を持つので、内服後、月経が来る前に再度無防備な性交渉があった場合は妊娠する可能性があります。より確実な避妊のためには、より効果が確実な低用量ピルの定期的内服が推奨されます。

4. アフターピルを処方してもらうには?

日本ではアフターピルはレディースクリニックなどの医療機関で処方してもらう必要があります。性交後72時間以内の内服が必要な薬ですので、避妊に失敗したかもしれないと不安に思ったら、できるだけ早めにお医者さんに相談してください。

なお、保険適用外の自由診療扱いになるため費用は100%自己負担となります。自由診療における費用は医療機関によって異なりますが、10000円から20000円くらいが相場になっています。

望まない妊娠をしてしまった場合、中絶費用は10~20万円かかり、また、中絶は心身に消えない傷を残します。緊急時には適切にアフターピルを服用し、日常的にはコンドームの使用や定期的な低用量ピルの内服で、より確実に望まない妊娠を避けることが推奨されます。

参考文献

・日本産科婦人科学会:緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28年度改訂版)(閲覧日2020.5.11)