避妊
避妊の方法としてコンドーム以外にも経口避妊薬(ピル)や子宮内避妊器具(IUD)と呼ばれるものがあります。それぞれのメリット・デメリットなど、避妊の疑問について解説します。
最終更新: 2020.05.11

妊娠と生理の関係について

生理の周期は妊娠と深く関係しています。生理が止まることから妊娠に気付く人は多いからです。生理と妊娠の関係や、気を付けたいポイントを説明します。

1. 生理周期の中で妊娠しやすい日はあるか

ひとつの卵子が受精できるタイミングは限られています。妊娠するかどうかは生理周期の中のタイミングとも関係しているのですが、妊娠しやすい日を完全に予想するのは困難です。ですので、妊娠を考えていない場合は、生理周期を考慮せず、いつも通りの避妊法を行う必要があります。

妊娠しやすい日を予測しにくい理由

生理前は妊娠しにくく、生理後は妊娠しやすいという話を聞いたことがある人は多いと思います。それは「安全日」という考えが元になっていると思われます。話に出てくる「安全日」とは、排卵が終わって卵子が受精する期間が過ぎてから生理までの間を指すことが多いです。生理予定日の1週間前から生理予定日までを安全日と呼ぶことがあります。

しかし安全日に性交すれば妊娠しないとは言えません。

生理の間隔や排卵日が変わりやすいので、妊娠しやすい日を完全に予測はできないと考えてください。

妊娠できるタイミングは限られているが、それでもタイミングを計るだけの方法では不十分

妊娠できる日は、実はかなり限られています。卵子が受精できるのは、排卵されてから数時間以内だと考えられています。生理周期が28日だとすると、28日のうち数時間しか受精するタイミングがないのです。しかし、子宮内に入った精子は、2~3日間ほど生存するので、排卵2~3日前に性交しても、妊娠する可能性が残ります。

では排卵日は予測できるのでしょうか。排卵してから生理が来るまでの期間は12日から16日と考えられています。自分の生理周期を知っていれば、最終生理開始日から生理予定日が分かります。つまり、次の生理予定日から14日前が排卵日だと予測できます。その前後数日が一番妊娠しやすい時期だということになります。

しかし現実にはこれほどすべてが予定通りに進みません。女性の生理周期はちょっとした体調の変化でも変わりやすいので、「妊娠しやすい日」や「妊娠しにくい日」を完全に予測することは難しいですし、予測だけをもとにした避妊法は不十分です。

2. 生理の遅れから妊娠を見分けられるか

生理が遅れる理由は、妊娠のほかに生理不順病気も考えられます。つまり、生理が遅れても妊娠したとは限りません。

女性の生理周期はずれることがよくあり、生理不順自体は病気ではありません。一般的に、女性の生理周期は2538日間です。生理周期が安定している人で、いつもの周期から1週間以上遅れれば妊娠を考える目安になります。

妊娠してから生理がくることはあるか

妊娠中には生理(月経)はありません。ただし、紛らわしい場合があります。

妊娠すると、女性ホルモンの変化により脳の性中枢の働きが抑えられ、排卵がなくなります。そのため妊娠すると生理はこなくなるのです。しかし妊娠がはっきりわかる前の時期、言うなれば妊娠超初期とも言える時期に、着床出血という性器からの出血が見られることがあります。着床とは受精卵が子宮内膜の中に入りこむ現象で、受精から67日目に生じます。

着床によってホルモンのバランスが変化し、少量の出血が見られるのです。この着床出血を、生理だと誤って認識してしまうこともあります。

ただ、着床出血は妊娠した女性全員にくるわけではありません。着床出血がなくても妊娠していることはあります。いつもの生理とは違う出血が見られた場合は妊娠以外に何か病気が隠れている可能性もありますので、医療機関を受診することをお勧めします。

妊娠によって生理痛と似た症状が出ることはあるか

「生理痛だと思ったら、実は妊娠していた」という女性の声を聞くことがあります。そのような体験談に基づき、着床痛という言葉も生まれています。また妊娠初期に、生理痛に似た痛みがあるという話も聞きます。

医学的には、こういった痛みの原因ははっきりと分かっておらず、痛みの有無だけで妊娠したかどうかを判断するのは難しいと考えられます。

ちなみに、次のような体の変化から妊娠に気付く人もいます。

  • 生理が来ない
  • つわり(食欲不振、吐き気、嘔吐)
  • 基礎体温の高温相が続く

しかし、妊娠初期の自覚できる変化ははっきりしないものが多く、いずれも妊娠を見分ける決め手にはなりません。たとえば生理痛のような腹痛から妊娠を見分けることはできません。妊娠によって腹痛が出ないとは言えませんが、お腹が冷えても腹痛はするものなので、腹痛があるから妊娠とも、そうでないとも言えません。流産などの症状で腹痛が出る場合もあります。

「生理痛のような感じがあるけれども、何か違う、妊娠かもしれない」と思ったら、妊娠検査薬や産婦人科の診察で妊娠を確かめてください。

妊娠検査薬で妊娠を見分けられるか

妊娠検査薬は多くの場合正しく妊娠を見分けられますが、たまに間違うこともあります

例えば妊娠初期では妊娠していても“陰性”と出てしまうことがあります。妊娠検査薬ごとに適切な使用タイミングが決められていますので、使用タイミングを守ってください。一般的には生理予定日から1週間後以降が多いです。

妊娠検査薬が間違うパターンについて詳しくは、「妊娠を見分ける方法」の記事で解説しているので、参考にしてください。