避妊
避妊の方法として、コンドーム以外にも経口避妊薬(ピル)や子宮内避妊器具(IUD)と呼ばれるものがあります。それぞれのメリット・デメリットなど、避妊の疑問について解説します。
最終更新: 2018.02.16

避妊具にはどんな種類があるか:コンドーム、子宮内避妊器具など

避妊具といえばコンドームがよく使われていますが、ほかにも女性が主体的に使える避妊具としてIUD(子宮内避妊器具)があります。経口避妊薬(ピル)とも比較して、メリット・デメリットを説明します。

1. 避妊具の種類と避妊率

今までさまざまな避妊方法が試されてきました。現在も使われている避妊方法の一部と、それぞれの避妊の効果を下に挙げます。

  • ピル:0.3
  • 子宮内避妊器具(IUD):0.2-0.6
  • 女性用コンドーム:5
  • 男性用コンドーム:2
  • (避妊せず):85

(参考:Contraception. 2011 May; 83(5): 397–404.)

横の数字は「パール指数」という避妊の効果を示す値です。パール指数とは、100人の女性が1年間避妊を続けたときに、妊娠する数です。要するに、1年間で避妊に失敗して妊娠する確率(パーセント)のことです。上の数字はそれぞれの避妊方法を正しく継続して使った場合のもので、たとえばコンドームを正しく使わなかった場合などがあるとこの数字より妊娠が多くなります。

パール指数を見比べると、避妊具を使っても妊娠してしまう確率が意外に高いと驚くのではないでしょうか。日本でもっとも普及している男性用コンドームの場合、1年間で避妊に失敗する確率が2%あります。

また男性用コンドームよりも、子宮内避妊器具、ピル、不妊手術の方が避妊効果は高いことが分かります。

以下では避妊具を使う方法のメリット・デメリットなどを、ピルとも比較して説明します。

2. 男性用コンドーム

日本でもっとも普及している避妊方法が男性用コンドームです。

男性用コンドームの避妊効果は、世の中で期待されているほど高くありません。男性用コンドームを正しく継続して使っていても、1年間に2%の確率で避妊に失敗してしまいます。上の参考文献では、コンドームを正しく利用しなかった場合を含めると18%が避妊に失敗するとされています。

男性用コンドームには以下のメリット・デメリットがあります。

  • コンドームのメリット
    • 感染症(性病)を予防できる
    • 気軽に薬局やコンビニ、通販で買うことができる
    • 薬や手術と違い、副作用や合併症の心配はない
  • コンドームのデメリット
    • 世の中で期待されているほど避妊効果は高くない
    • 男性が協力的でないと使えない

もっと詳しく知りたい方は、コンドームの説明のページをご覧ください。

3. 女性用コンドーム

女性用コンドームとは、男性器ではなく女性器に装着するコンドームです。女性が主体的に取り組める避妊方法という利点がありますが、日本では現在あまり使われていません。

女性用コンドームは膣内に正しく装着する必要があるのですが、少しコツが必要です。装着しやすい体勢を追求した結果、片足を椅子の上に載せたり、横向きに寝転んだり、しゃがんだりする方法が考え出されました。

少し変わった姿勢で性交前に装着することや男性用コンドームより値段が高いこと、性交時の違和感、あまり避妊効果が高くないことなどのデメリットが考えられます。

4. 子宮内避妊器具(IUD)

子宮内避妊器具(IUD)とは、避妊を目的として子宮内に装着することのできる小さな器具です。一度装着すると数年間の避妊が可能です。妊娠したくなった場合、医療機関で子宮内避妊器具を抜去すれば通常、妊娠は可能です。

IUDには下記のようなメリット・デメリットがあります。

  • IUDのメリット
    • 女性主体で避妊に取り組める
    • 数年間避妊効果がつづく
    • ピルのように毎日薬を飲む必要がない
  • IUDのデメリット
    • 医療機関に通い、医師によって装着、除去される必要がある
    • 装着時に多少の傷みや出血の可能性がある
    • 性感染症の予防はできない

詳しくは子宮内避妊器具(IUD)の説明ページをご覧ください。

5. ほかの避妊方法:経口避妊薬(ピル)

避妊具を使う方法と比較するため、ほかの避妊方法の例として経口避妊薬(ピル)についても説明します。

ピルは産婦人科などの医療機関で処方されています。一般的に「ピル」と呼ばれる薬の多くは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンの合剤です。ピルの中にも種類があり、配合の度合いや毎日服用するかどうかについては、それぞれの製剤によって違いがあります。ピルは避妊目的で使うものだけでなく、さまざまな治療目的で使われることがあります。避妊目的で使われるピルは、現在では低用量ピルと呼ばれる種類のものが主流です。

低用量ピルは、排卵を抑制する作用に加え、子宮内膜や子宮頸管粘膜にも影響することで、避妊効果を現します。飲み忘れなく正しくピルを続けていれば、高い避妊効果が得られます。

高い効果の一方で、薬による副作用にも注意が必要です。頭痛や吐き気、不正性器出血などの副作用のほか、きわめてまれとされますが、血栓症などの重大な副作用が現れる可能性もあります。そのため特に注意するべきと考えられる人などではピルが使えないと判断されることがあります。

ピルを使いたいと思った時には、特に注意するべき持病や生活背景がないかを医師と十分相談すること、ピルを飲んでいる時期に何らかの症状などを感じたら早めに相談すること、副作用が疑われた場合には医師と相談したうえ服用中止など適切な対応を決めることなどがとても大切です。

まとめると、ピルには以下のようなメリット・デメリットがあります。

  • ピルのメリット
    • 薬を忘れずに飲み続ければ、避妊効果が高い
    • 女性が主体となって避妊ができる
  • ピルのデメリット
    • 毎日薬を飲み続ける必要がある
    • 性感染症の予防はできない
    • 副作用のリスクがある
    • 副作用の懸念などのためピルが使えない場合がある

詳しくはピル(経口避妊薬)のページで説明しています。

6. まとめ

避妊というとコンドームを頭に浮かべる方が多いと思いますが、女性が主体で使える子宮内避妊器具という避妊具もあります。また避妊のためにはピルを飲む選択肢もあります。

それぞれメリット、デメリットがありますので、こういった選択肢のことを知って、自分たちに合った方法を探してみてください。