避妊手術とは?女性・男性の手術と合併症のリスク | MEDLEY(メドレー)
避妊
避妊の方法としてコンドーム以外にも経口避妊薬(ピル)や子宮内避妊器具(IUD)と呼ばれるものがあります。それぞれのメリット・デメリットなど、避妊の疑問について解説します。
最終更新: 2020.05.11

避妊手術とは?女性・男性の手術と合併症のリスク

避妊手術は高い避妊効果があります。女性の手術と男性の手術があります。合併症のリスクと、元に戻すのが難しいことなどのデメリットもあります。

1. 避妊手術にはどんな方法があるか

日本で実施できる避妊手術は、男性では精管結紮術(せいかんけっさつじゅつ)、女性では卵管結紮術(らんかんけっさつじゅつ)に限られています。避妊効果は高く、一度手術すれば避妊効果が長く続きます。

避妊手術は基本的に永久的な避妊です。あとで妊娠したくなった場合、治療によって妊娠できる場合もありますが、元に戻せない場合があります。避妊手術をする前に、本当にもう子供は欲しくないのかよく考える必要があります。

避妊手術は日本ではあまり普及していませんが、アメリカではピルの次に普及している避妊法です。

2. 女性の避妊手術

女性の避妊手術として、卵管結紮術が行われています。卵管結紮術は卵子が卵巣から子宮に行くための通り道(卵管)を遮る手術です。

卵管結紮術は高い避妊効果があります。手術が不完全だったなどの理由で妊娠してしまう可能性がゼロではありませんが、卵管結紮術のあと妊娠する割合は、1年で女性100人あたり0.5人とされています。

卵巣は残るので、月経などの性機能も維持されます。

(参考:Contraception. 2011 May; 83(5): 397–404.)

卵管結紮術の方法

卵管結紮術には左右の卵管を糸で縛って切断する、クリップでとめるなどの方法があり、いずれも卵子が卵管を通って子宮に到達できないようにします。

腹腔鏡下手術という方法では、下腹部の皮膚を2-3cm切開して、腹腔鏡(ふくくうきょう)という内視鏡を挿入して、卵管の操作を行います。開腹して手術する方法もあります。

一般的には全身麻酔で行われ、入院が必要な手術です。

卵管結紮術の合併症

合併症とは、手術にともなって引き起こされることがある望ましくない出来事のことです。卵管結紮術の合併症は多くはなく、特に深刻な合併症が現れることはまれです。

一般的な手術の合併症として、切り開いた場所の出血や感染、麻酔薬による副作用やアレルギー反応などが卵管結紮術でも起こる可能性があります。

卵管結紮術によって腸など周りの臓器を傷つけてしまうことや、手術が不完全で妊娠してしまうこと、また子宮外妊娠の可能性も考えられます。手術後に何らかの異常を感じた場合は主治医に相談してください。

通常、卵管結紮術を行っても生理や性交には影響ありません。

3. 男性の避妊手術

男性の避妊手術では、精管結紮術(せいかんけっさつじゅつ)が行われます。「パイプカット」という名前の方がよく知れ渡っているかもしれません。

精管結紮術は高い避妊効果があります。手術が不完全だったなどの理由で妊娠してしまうことがゼロではありませんが、精管結紮術を行ったあとの妊娠は、1年間で女性100人あたり0.1人とされています。

(参考:Contraception. 2011 May; 83(5): 397–404.)

精管結紮術の方法

精子は陰嚢の中にある精管の中を通って、精液に混じります。精管結紮術では、陰嚢の表面を切開する、あるいは小さな穴を開けて2本ある精管を引っ張りだし、切断して、その両断端を閉じます。

手術時間は30分ほどで、局所麻酔で済みます。手術後は精液検査をして、精液中に精子がいないことを確認します。この手術は泌尿器科で行われます。

精管結紮術の合併症

精管結紮術では、手術後も性交、勃起、射精ができます。男性ホルモンも手術前と変わらず分泌されます。手術した場所よりも出口に近い側で精子が残っている可能性があるため、精液検査で精子がないことが確認されるまで、ほかの方法で避妊する必要があります。

精管結紮術の合併症は多くはありません。手術で一般的に起こりうる合併症として、麻酔薬のアレルギーや切った場所の出血・感染などが考えられます。精子肉芽腫と呼ばれる数mm程度の塊ができたり、痛みが長引いたりする場合もあります。

4. 避妊手術のメリット・デメリット

避妊手術のメリットとデメリットをまとめます。

  • メリット
    • 避妊効果が高い
    • 毎日薬を飲む必要がない
    • 避妊効果が長く続く
    • 男性も女性も手術できる
    • 妊娠以外の性機能は維持される
  • デメリット
    • 妊娠したくなったときに元に戻せない場合がある
    • 手術による合併症がある
    • 手術後の意図しない妊娠もゼロではない

ほかの避妊方法と比べて、避妊手術は一度の判断に重みがあります。メリットとデメリットを考えて、避妊手術が自分に合っているかどうかをよく考えてください。