子宮内避妊器具(IUD)とは?避妊効果、副作用などを解説 | MEDLEY(メドレー)
避妊
避妊の方法としてコンドーム以外にも経口避妊薬(ピル)や子宮内避妊器具(IUD)と呼ばれるものがあります。それぞれのメリット・デメリットなど、避妊の疑問について解説します。
最終更新: 2020.05.11

子宮内避妊器具(IUD)とは?避妊効果、副作用などを解説

子宮内避妊器具(IUD)は女性が主体となって使える避妊方法のひとつです。避妊効果や副作用などのメリット・デメリットについて説明します。

1. 子宮内避妊器具(IUD)とは?

子宮内避妊器具(IUD)とは、避妊を目的として子宮内に装着することのできる小さな器具です。かつて使われていた器具でリング状のものがあり、「避妊リング」と呼ばれることもありますが、現在よく使われているものはT字型の棒状です。ペッサリーとは違います。また膣に挿入して使うリング状の器具とも違います。

病院で一度装着すると、数年間の避妊が可能です。男性用コンドームだとパートナーの男性の協力が不可欠ですが、子宮内避妊器具は女性主体で避妊に取り組めることが特徴的です。また薬を飲み続ける必要がありません。

出血などの副作用や、自然脱出などには注意が必要です。

2. 子宮内避妊器具(IUD)の種類

子宮内避妊器具(IUD)は、女性の子宮内に装着することで、受精卵の着床を防ぎます。子宮内避妊器具にもいくつか種類があります。

  • 従来型
  • 銅付加型
  • 黄体ホルモン含有型

黄体ホルモンとは女性ホルモンのひとつです。黄体ホルモン含有型の子宮内避妊器具は、正確には子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)と呼ばれ、IUDとは区別されます。IUSは避妊目的のほかに、過多月経月経困難症に対する治療目的で使用される場合もあります。このページでは便宜上、IUSもIUDのひとつとして説明します。

3. 子宮内避妊器具(IUD)の避妊効果

避妊方法の効果の目安としてパール指数という指標があります。パール指数とは、100人の女性が1年間避妊を続けたときに、妊娠する数です。つまり1年間で避妊に失敗して妊娠する確率(パーセント)のことです。

子宮内避妊器具とほかの避妊方法のパール指数を比べてみます。

  • ピル:0.3
  • 銅付加型IUD:0.6
  • 黄体ホルモン含有型IUD:0.2
  • 男性用コンドーム:2
  • (避妊せず):85

(参考:Contraception. 2011 May; 83(5): 397–404.)

上の数字はそれぞれの避妊方法を正しく継続して使った場合のもので、たとえばコンドームを正しく使わなかった場合などがあるとこの数字より妊娠が多くなります。

4. 子宮内避妊器具(IUD)の副作用

子宮内避妊器具(IUD)の挿入時には痛みや出血を伴うことがあります。

子宮内避妊器具を装着後、生理の周期が変わることや生理の量が多くなることがあります。黄体ホルモン含有型の子宮内避妊器具の場合、子宮内膜の増殖が抑えられ、生理の量はむしろ少なくなります。無月経となる場合もあり、妊娠と区別する必要があります。

腹痛や感染(骨盤内炎症性疾患)が副作用として現れる可能性もあります。

このほかまれにIUDが抜け出てしまったり、子宮の壁に入り込んで穴を開けたりすることもあります。子宮内避妊器具を使用中の女性が妊娠する確率は低いですが、万が一妊娠した場合には子宮外妊娠や感染性流産が起きやすいことには注意が必要です。

子宮内避妊器具は性交には影響しません。もし性交時の違和感や痛みがある場合は、子宮内避妊器具の位置が正しくない可能性があります。

装着中には定期的に受診して子宮内避妊器具の位置などを確認します。月経の異常ほか、何らかの異常を感じた時は、副作用の可能性を含めて原因を調べるため受診が勧められます。副作用のため除去が必要と判断される場合もあります。

5. 子宮内避妊器具(IUD)を使う時に注意すること

子宮内避妊器具は、妊娠中に挿入してしまわないよう注意が必要です。装着する前に妊娠していないことを確認する検査があります。また性感染症にかかっている状態では感染が悪化する恐れがあるため、性感染症がないことも確認したうえで使う必要があります。

出産したことのない女性では、出産したことのある女性に比べて副作用が現れやすいという報告があり、出産したことのある女性のほうが適しているとされます。

装着中には定期的に受診して子宮内避妊器具の位置などを確認するほか、副作用が疑われる場合も受診が勧められます。

除去すれば再び妊娠できるようになりますが、除去したあとも避妊したい場合、月経期間中に除去することとされています。これは子宮内避妊器具を除去して新たに装着しない場合、除去の前1週間以内に性交していれば妊娠する可能性があるためです。

子宮内避妊器具(IUD)の費用は?

子宮内避妊器具を避妊目的で使う場合、保険が効かないため費用は高くなります。使う子宮内避妊器具の種類や医療機関によって、費用が異なります。だいたい3万円から7万円が必要となります。また取り外すときや交換するときにも、別途費用が必要となります。

子宮内避妊器具(IUD)の装着に適した時期は?

女性の子宮の状態は、生理の周期によって変化します。子宮内膜が厚い状態で子宮内避妊器具を装着すると剥がれやすくなってしまいます。そのため子宮内避妊器具は、生理中から生理が終わって1週間以内に装着することが望ましいとされています。

子宮内避妊器具(IUD)が入っていてもMRIは撮れる?

子宮内避妊器具にはいくつか種類があり、なかには銅を含むものもあります。銅付加型IUDのひとつであるマルチロード®CU250Rの添付文書には「MRIによるIUDへの影響は無視できる。」「MRIにより得られた画像は、本品の存在によって悪影響を受けないと考えられる。」との記載があります。

しかし一般に、検査を受ける際には以前に経験した病気や使用している薬剤などを伝えることが大切です。子宮内避妊器具を装着していることがほかの病気の診断や治療に影響する可能性もあるため、装着中に受診した時には、子宮内避妊器具を使っていることを忘れずに医師に伝えてください。

6. 子宮内避妊器具(IUD)のメリット・デメリット

まとめると、子宮内避妊器具のメリット・デメリットとして以下の点が挙げられます。

  • IUDのメリット
    • 女性主体で避妊に取り組める
    • 数年間避妊効果が続く
    • 毎日薬を飲む必要がない
  • IUDのデメリット
    • 医療機関に通って挿入、除去される必要がある
    • 挿入時に多少の傷みや出血の可能性がある
    • 月経の変化などの副作用が現れる可能性がある
    • 性感染症の予防はできない

ほかに女性が主体となって使える避妊方法としてはピル(経口避妊薬)などもあります。詳しくはピル(経口避妊薬)のページで説明しています。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選んでください。