膣トリコモナス症とは?原因、症状、検査、治療について
膣
目次
1. 膣トリコモナス症の原因は?
膣トリコモナス症の原因は、膣トリコモナス
膣トリコモナス症は、男性よりも女性に症状が出やすいことが特徴です。腟炎が起こるのでトリコモナス腟炎とも言います。
男性には症状を出さなくても尿道や
腟炎の症状がある女性のみ治療を行っても、パートナーが感染していればすぐにまたうつされてしまいます。こうした感染の仕方をピンポン感染といいます。ピンポン感染を防ぐために、必ずパートナーと同時に治療をするようにしてください。ほかの性病でも同じです。
2. 膣トリコモナス症の症状は?
膣トリコモナス症は女性に多い病気です。女性が膣トリコモナスに感染していても20-50%程度は症状がありません。しかし、感染してから10日ほどの
- 泡のようなおりもの(ときに悪臭を伴う)
- おりものの色が黄緑色になる
- 膣が敏感になる
- 膣にかゆみが出る
2-a. 膣トリコモナス症の症状はなぜバラバラなのか?
膣トリコモナス症ではおりものの見た目や悪臭などの症状が人によってかなり違います。人によって症状が違うのは、症状を起こす原因が膣トリコモナスだけではないからです。
膣の中にはふだん、乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)が住み着いています。乳酸桿菌は乳酸を作るので、膣の中はいつも乳酸で酸性(pH<5)に保たれています。通常の菌は酸性の環境では増殖できません。つまり、膣の中は乳酸桿菌によってほかの菌が入ってこられない環境になっています。
ところが、膣トリコモナスは膣の中に入ると、乳酸桿菌の栄養分を横取りして乳酸を作れないようにしてしまいます。すると膣の中が酸性でなくなるうえ、乳酸桿菌が減少することで、膣の中にいろいろな菌が住めるようになります。
こうして膣トリコモナスを筆頭にいろいろな菌がはびこることで、症状があらわれます。症状は、どんな菌が増えているかによって違います。
気になる症状があるときは、腟炎の典型的な症状と少し違っても膣トリコモナス症の可能性を忘れずに、婦人科などで検査を受けてください。
3. 膣トリコモナス症の検査と診断
腟炎を起こす代表的な感染症は、性器
- 性器カンジダ症
- 痒みが強い、たまに痛みを伴う、性器周囲に
炎症 あり
- 痒みが強い、たまに痛みを伴う、性器周囲に
- 膣トリコモナス症
- おりものが多い、たまに臭いがきつくなる、性器周囲は正常
- 細菌性膣症
- おりものは多くない、臭いがきつい、性器周囲は正常
ただし、膣トリコモナス症の症状は多様なので、症状だけでは診断を決められません。症状に加えて、膣トリコモナスがいるか確かめる検査によって診断します。
検査では、膣の分泌液を取り出し、顕微鏡を用いてくまなく見ていきます。たいていの場合膣トリコモナス原虫を見つけることができます。顕微鏡で見つからないときは、膣分泌液を特殊な方法で
膣トリコモナス症の検査を受けるとき忘れてはならないのは、パートナーの男性も一緒に検査を行うということです。男性の場合は、尿を顕微鏡で見たり培養したりして診断をつけます。もし男性にも感染が見つかったら、必ず同時に治療してください。
4. 膣トリコモナス症の治療
膣トリコモナス症の治療にはメトロニダゾール(フラジール®)という薬を使います。メトロニダゾールを使えば治療成功率は9割以上です。
- メトロニダゾール2gを1回飲む
- メトロニダゾール500mgを1日2回飲む×7日間
どちらかの飲み方で治療します。
メトロニダゾールは、吐き気や下痢、
ポイントは必ずパートナーと一緒に治療するということです。パートナーと同時に治療すれば再発する可能性は低いので、治療して症状がなくなれば、後の検査は必要ありません。
5. まとめ
膣トリコモナス症について覚えておきたいポイントをまとめます。
- 腟炎の症状は泡のようなおりもの、膣のかゆみなど
- 男性には症状がないことが多い
- 治療はパートナーと同時に
膣トリコモナス症が気になったら、産婦人科や泌尿器科で相談してください。