性病
性病はナイーブな話ですのでなかなか人に相談できない病気です。それでいて放っておいても治ることは期待できません。また、ともすれば不妊症の原因になります。 性病を起こす原因や治療法について考えていきましょう。
最終更新: 2023.02.28

毛じらみとは?症状、予防とスミスリンなどの治療法

毛じらみ(ケジラミ)は性行為などで陰部に感染してかゆみの症状を起こします。陰毛を剃るか、スミスリンパウダーやスミスリンLなどの市販薬でも治療できます。家族にうつることもあるので感染予防に気を付けてください。

1. 毛じらみとは?

シラミ、毛じらみ

吸血する昆虫である毛じらみ(ケジラミ)が身体に寄生すると毛じらみ症という病気になります。毛じらみは主に陰毛に寄生し、性行為でうつります。毛じらみは全長1mm程度の大きさで陰毛の毛根周囲に住みつきます。1日に数回血を吸って栄養として生きています。

毛じらみ以外にも人に寄生するシラミはあります。アタマジラミとコロモジラミというシラミが人に寄生しますが、いずれも性感染症は起こしません。

毛じらみ症は昔の病気?

毛じらみ症は現代もまだまだ注意するべき性病です。

日本では太平洋戦争後に毛じらみは減少していましたが、1970年代から海外の毛じらみが持ち込まれたことによって再度増えていました。その後増減を繰り返し、1990年代以降はまた増えてきています。

2. 毛じらみ症の予防法は?

毛じらみは陰部にいるため多くは性行為でうつります。寝具やタオルを介して感染することもあるため、家族の中で感染するパターンにも注意が必要です。

人の陰部に住みついた毛じらみは、人の身体から離れたらせいぜい48時間しか生きていられません。毛じらみは歩ける距離も非常に短く、1日で10cmほどしか移動できません。

そのため、毛じらみが人にうつるのは、主に直接接触した場合です。

毛じらみが見つかったら、治療が終わるまでは、家族と寝具やタオルを共有しない、直接接触しないといった方法で感染を予防してください。

3. 毛じらみ症の症状は?

毛じらみ症の主な症状は陰毛が生えている場所のかゆみです。毛じらみがうつって1か月から2か月くらいで症状が出てきます。

寄生する身体の部位は主に陰毛ですが、肛門周囲の毛や胸毛、腋毛(ワキ毛)に寄生することもあります。

また、肌着に毛じらみの糞が付着して、黒い点状のシミになることがあります。

皮膚に発疹が出ることはほとんどありません。

ステロイドの塗り薬を塗った場所や、飲み薬のステロイドを使っている人はかゆみを感じにくく、気付かないうちにほかの人にうつしていることがあります。周りの人が毛じらみ症と言われたら、自分に症状がなくても検査を受けてください。

4. 毛じらみ症の検査はどんなことをする?

陰部のかゆみを感じる人は毛じらみ症の可能性があります。皮膚科などのある医療機関にかかるようにしてください。

検査では虫めがねなどを使って陰部を診察し、陰毛についている白色の毛じらみや毛じらみの卵を探します。白い付着物のあった場合は、顕微鏡でさらに拡大して観察し、毛じらみかどうかを確かめます。

5. 毛じらみ症の治療は?

毛じらみのいる陰毛を剃ってしまえば、毛じらみは住む場所がなくなって全滅します。毛を剃るのが一番確実な治療です。

毛じらみの寄生している範囲が広かったり、ワキ毛や頭髪にも寄生していることで剃毛しきれなかったりする場合は薬でも治療できます。

治療薬の0.4%フェノトリンパウダー(スミスリンパウダー®)や0.4%フェノトリンシャンプー(スミスリン L®)は一般市販薬(OTC)として、処方箋なしでも薬局・薬店・ドラッグストアで買えます。

薬の使い方を説明します。

  • 症状のある部位にスミスリンパウダーを適量塗りつけます。1-2時間ほど経ったら塗った部分を洗い流します。
  • シャンプーの場合は、3-5mL使って陰部を洗浄し、5分後に洗い流します。

いずれの治療も、毛じらみだけでなく卵も駆除する必要があるのですが、治療薬は卵には効きません。卵が孵化するまでに1週間位はかかるので、治療薬を3日おきに3回か4回程度使うことで、生き残った卵が孵化したところを駆除できます。

6. 毛じらみ症の治療はパートナーと同時に

全ての性病に関して言えることなのですが、毛じらみ症は自分だけ治療しても不十分です。パートナーにうつっていれば、自分が治してもすぐにまたうつされてしまいます。必ずパートナーも同時に治療するようにしましょう。

7. まとめ

毛じらみ症について覚えておきたいポイントをまとめます。

  • 性行為、寝具、タオルなどから毛がある場所にうつる
  • 症状はかゆみ
  • 陰毛を剃るか薬で駆除する
  • 治療はパートナーと同時に

毛じらみ症が気になったら、皮膚科などのある医療機関で相談しましょう。



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