性病
性病はナイーブな話ですのでなかなか人に相談できない病気です。それでいて放っておいても治ることは期待できませんし、ともすれば不妊症の原因になります。 性病を起こす原因や治療法について考えていきましょう。
最終更新: 2017.10.04

性病の検査ってなにをするの?費用はどのくらい?検査キットでも良いの?

性病が心配で検査を受けようと思っても、性器を見られたり、性行為について質問されると思うとなんとなく嫌になってしまいます。検査にかかる費用も気になります。検査に行くとどうなるのか知って、準備して向かいましょう。

1. 性病の検査はどんなことをする?

性病が心配になったとき、こんな不安が湧いてきます。

20代男性の佐藤さんは、風俗店に行った翌週に排尿のときの痛みを感じました。性病かもしれないと思って、病院で検査をすることにしました。病院に行くのはなんとなく怖いので、予約の前の日の夜、どんなことを聞かれるのか、検査では何をされるのかインターネットで調べてみました。

性病の検査というと、性器を見られたり触られたりというイメージがあって、なんとなく不安に感じるかもしれません。また、性行為について詳しく聞かれるのは気持ちのいいものではありません。

診察や検査で何を調べているのかを知って、怖い気持ちに負けずに診察を受けに行きましょう。

問診(もんしん)

問診というのは、診察中に「どうしてここにきましたか」とか「どんな症状がありますか」といったことを聞かれることです。診察前に問診票という質問の書いてある紙に記入させられることもあります。

性病の診察には、実は問診が非常に重要です。

問診ではこんなことを聞かれます。

  • いつ症状が出たか
  • どんな症状が出たか
  • 体のどこに症状が出ているか
  • 症状はいつまで続いたか、まだ続いているか
  • どんな持病があるか
  • 周りにも同じ症状の人がいるか
  • 最後の性行為はいつか
  • 肛門性交はするか
  • 口腔性交(フェラチオ、クンニリングスなど)はするか
  • 同性間性交をするか
  • 薬飲んでいる薬はあるか
  • 妊娠しているか/過去に妊娠したことがあるか
  • 最後の月経はいつか
  • 生理不順はないか

上の質問はお医者さんが「性病かな?」と思ったときに知りたいポイントです。

なぜこんなことを聞かれるのだろう、と思えるかもしれません。

最後の性行為を聞くのは、感染した時期を推定するためです。最後の性行為から症状が出るまでの期間が短ければ淋菌、長ければクラミジア、あまりに長すぎれば性病ではないのではないか、などと考えるヒントになります。

アナルセックスやオーラルセックスによって、性器以外の場所にも感染が起こります。性器以外に症状が出た原因だったかもしれません。

同性間性交をする人の間で流行する性病は、異性間性交だけの人に流行する性病と違った傾向があります。同性間性交をするかどうかによって、考えられる原因が変わります。

ほかにもたくさんのことが問診でわかります。問診ではとても重要な情報を伝えることができますので、なるべく詳しく自分から話しましょう。

診察

体を診察して、どんな症状が出ているか、体に目に見える変化があるかを調べます。肛門から指を入れて調べる直腸診(ちょくちょうしん)、女性の膣に膣鏡(ちつきょう)という道具を入れて中を観察する内診(ないしん)などの方法も必要に応じて使われます。

本人はかゆい・痛いという自覚がなくても、性器に赤みがあるなど、お医者さんの目で見ると気付くことも多いです。

尖圭コンジローマのように性器に症状がはっきりと見える病気は、目で見て診察する必要度が非常に高いです。恥ずかしいですが我慢してしっかり見てもらいましょう。

血液検査

針を刺して採血し、血液を調べます。梅毒HIV、肝炎ウイルスは血液検査がなければ診断することは難しいです。

一方で、淋菌やクラミジアは、性器に感染しても血液に入ってこなくて血液検査では見つけられないことも多いです。

採血したときに、血管迷走神経反射と言って気が遠くなったり気分が悪くなることがありますが、しばらく横になれば治ります。

尿検査

尿の中に性病の原因となる微生物がいるのかどうかを調べます。

性病を起こす微生物は尿に混ざって出てくることも多いので、尿の中を探すことは大切です。原因の微生物が見つかればどんな薬が効くかもわかります。

のどの検査

性病を起こす微生物がのどに感染している人が最近増えています。性病の検査をするときはのどもチェックしてもらいましょう。

性器に感染がなくても、のどに感染していた場合、オーラルセックス(フェラチオやクンニリングスなど)で相手にうつしてしまいます。

再検査と言われたら?

1回の検査で診断が決まらず、再検査と言われることがあります。再検査が必要な場合は主にふたとおりです。

  • 症状や経過が検査結果と一致しないとき
    • 症状があるのに検査で原因を特定できなかったときは、想定外の原因が隠れていたのかもしれません。症状や経過と一致しない結果が出たときは、検査をやり直したり、ほかの検査をする必要が出てきます。
  • 検査に適した時期を待ちたいとき
    • 性病に感染した直後は、体に住み着いている微生物の量が少ないため、検査で見つけることができません。微生物が増殖したころに再検査すると見つかることがあります。

再検査をすることで、より確実に原因を特定できます。1回検査したから大丈夫だろうと思わないで、再検査と言われたらきちんと再検査をして、原因を見つけてください。

2. 性病の検査はいくらかかるの?

性病検査に行くときは費用も気になります。どれぐらいの費用がかかるのか、クラミジア感染症を例にとってシミューレーションしてみましょう。

保健所で検査した場合

保健所の検査は無料です。検査ができる日時や定員をクリアすれば、交通費のみの出費ですみます。

医療機関で検査した場合

医療機関で調べる場合、医療保険が効いたとして、治療まで含めて自己負担額が6,000円から11,000円ほどです。

費用は医療保険が効くのかどうかで大きく違います。

医療保険が効く場合は、保険区分によって医療費の1-3割を負担することになります。医療保険が効かなければ全額自己負担です。つまり、医療保険が効かないときは3倍以上の費用がかかります。

原則として、症状から予想される病名に対しては保険が効きます。

計算の内訳を説明します。初めて行く医療機関でクラミジアの検査をして、治療もした場合は、おおむね以下の費用がかかります。

  1. 初診料
    • 3割負担で850円になります。
  2. 検査費
    • クラミジアの培養検査やPCR検査や血液検査を行った場合は、4,000-9,000円程度がかかります。通常は淋菌と同時に感染していることが多いので、淋菌も一緒に検査するとして計算しています。
  3. 薬代
    • 治療薬としてクラビット®500mgを7日分処方された場合には、900円ほどかかります。

合わせると、クラミジア+淋菌を検査して治療する費用がだいたい6,000-11,000円となります。

保険が効かないで全額自己負担になる場合は、およそ20,000−36,000円かかる計算になります。さらに保険外併用療養費というお金が加わる場合があります。紹介状を持たずに大病院に行くと5,000円以上の保険外併用療養費を請求される場合があります。

保健所で検査する場合と、医療機関で検査する場合の大きな違いが費用です。ほかの違いについて詳しくは、「性病は保健所と病院のどちらに行くべき?行かなくても治ることはある?」の項で説明しています。

3. 性病検査キットとは?

性病の検査キットは、インターネットを使えば一般的に買えるもので、自宅で専用の道具を使って検査ができます。尿と血液とうがい液を専用の容器に入れて郵送すると検査してくれます。検査結果も郵送で戻ってきますので、何が届いたか知られたくない人は郵送/返送の場所はプライバシーを配慮したところを選ぶと良いでしょう。

保健所や病院に行かなくていいので気持ちの負担は軽いのですが、気を付けることもあります。

第一に、検査キットは微生物の種類ごとに別のものを使うのですが、もしクラミジアに感染していれば他の性病にもかかっている可能性が高いので、クラミジアだけ検査しても不十分です。少なくとも淋菌とHIVは同時にチェックする必要があります。

第二に、お医者さんに診てもらうのと違って、診察の情報が反映されない分、正確ではなくなります。

費用はクラミジアと淋菌とHIVの検査を行うと10,000円ほどかかる場合が多いです。

医療機関に行く負担がとても大きいとき以外は、検査キットはあまり当てにせず、診察を受けに行ったほうがいいでしょう。



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