性病

性病はナイーブな話ですのでなかなか人に相談できない病気です。それでいて放っておいても治ることは期待できませんし、ともすれば不妊症の原因になります。 性病を起こす原因や治療法について考えていきましょう。

病気に対応する病院を探す
最終更新: 2016.09.12

性病とはどんな病気?

性病には気を付けているから大丈夫と思っていませんか?性病は古くから知られている病気ですが、症状が目立たないことが多い、病院に行きにくいなど、いくつもの落とし穴があり、現代も流行を続けています。

 

 

1. 性病ってなんだろう?

感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称・性病は、英語のSexually Transmitted Diseaseの略でSTDとも言います。性行為でうつる病気のことを指します。感染するという点を強調して、感染症(infection)という言葉を使ったSexually Transmitted Infection(STI)と呼ぶべきという意見が強くなりつつありますが、以前から使われているSTDという言葉の方が今はまだ目にする機会が多いでしょう。

性病には、クラミジア感染症、淋菌感染症淋菌が感染し炎症が生じる病気。生殖器や咽頭に多い梅毒梅毒トレポネーマという細菌による感染。ほとんどが性感染症HIV感染症HIVウイルスに感染している状態。AIDSが発症していない状態も含む/エイズHIVウイルスの感染が原因で免疫力が落ち、何らかの感染症にかかってしまった状態AIDSHIVウイルスの感染が原因で免疫力が落ち、何らかの感染症にかかってしまった状態)、性器ヘルペス陰部に単純ヘルペスウイルスが感染することによって起こる病気。単純ヘルペス感染症の一種などさまざまな感染症が含まれます。

 

2. 性病は現代病なの?

HIV身体の免疫にかかわる白血球に感染するウイルスで、エイズの原因となるものは1980年代に認識された病気ですが、梅毒は古く室町時代から認識されていた病気です。昔は花柳界で流行っていたことから花柳病と言われました。抗生物質微生物が産生する細胞の増殖や機能を阻害する物質。抗菌薬・抗ウィルス薬・抗がん薬を含むもコンドームもない時代には、一度性病が発生してしまうと蔓延を止められませんでした。

江戸の川柳に梅毒を題材にしたものがあります。

「とら息子 親の目盗んで 鼻が落ち」

「鷹の名にお花お千代はきつい事」(鷹とは売春婦のこと、お花お千代をお鼻落ちよとかけている)

これらは梅毒が進行すると鼻が陥没してしまうことを揶揄したもので、江戸時代には大衆が梅毒を認識していたことがわかります。

江戸時代の医者で、「解体新書」の翻訳でも有名な杉田玄白は、年間1,000人の患者を診たうち700人から800人は梅毒であったと記しています。また、横浜で遊女の梅毒検査を行ったイギリスの軍医のニュートンも、遊女の大多数が梅毒持ちであったことを報告しています。

性病は古くから認識されていて、原因が見つかってからもかなりの年代が経っているのですが、現代でも多くの人を脅かしています。なぜ性病はなくならないのでしょうか?

 

 

3. 性病が流行る理由

性病は性行為でうつります。性行為をしなければ性病にはかかりませんが、性行為は、子供を作る繁殖行為としてももっと動物的な快楽行為としても、人間の一生からなかなか切り離せないものです。性行為をやめられないことが、性病がなくならない最も本質的な理由です。

性病は人間にとって避けられない問題です。タブー視することなく、向き合って正しい知識を身に付け、対策しなければならないのです。

 

4. 性病はなぜ治せないのか?

多くの性病は薬で完治します。にもかかわらず、性病を抱えたまま長年苦しんでいる人、いつのまにか多くの人に感染をまき散らしてしまう人がいます。なぜ性病は治しにくいのでしょうか?

 

4-a. 症状を自覚しにくい

性病の症状と言われて思い浮かぶのは、性器が痛んだり痒くなったり、性器から細菌などに感染すると、免疫を担当する細胞(白血球)が細菌と戦うが、その結果として死んだ細胞や細菌が集まったものが膿であるが出てきたりすることだと思います。しかし意外にも、性病は症状の出ないことの方が多いのです。そのため、気付かなかったり気付くのが遅くなったりしてしまうのです。

ではどうやって性病を見つければよいのでしょうか?

  • 風俗に行ったなど、危ないなと思う心当たりがあったら検査してみる
  • 新しい相手とセックスをしたら検査してみる

つまり、症状がない性病を見つけるには、少しでも可能性があると思ったら検査をするしかありません。性病の検査は病院でもしてくれますが、保健所でも無料でできます。

また簡易検査キットが市販されていますので、検査キットを試してみても良いかもしれません。

 

4-b. 症状が出ても性病だとは思わない

 

性病を思わせる症状が出ても性病とは思いたくないものです。性病という言葉の響き、恥ずかしくて認めたくない気持ち、自分の行為をとがめられたような思いから、まさか自分が性病にはならないだろう、ほかの病気かもしれない、たまたま体調が悪いだけかもしれないと考えてしまいます。

しかし、性行為をする限り性病にかかっても不思議はありません。特に性病に特徴的な症状が出たときは覚悟をしてください。

  • 性器が痛い
  • 性器がかゆい
  • 性器に膿がある
  • 性器にできものができた
  • 性器に水ぶくれができた
  • 尿をするときに痛みがある
  • 残尿感排尿後にも、尿が出しきれていない感覚のこと。前立腺肥大症や膀胱炎などで生じるがある
  • おりものが増えた
  • おりものの臭いが強い
  • 原因不明の熱が出る

上の症状のどれかひとつでも自覚があれば、性病ではないか調べるべきです。

 

4-c. 自然に治らない

性病だろうと思っても、やはり病院に行くのは気が重いものです。体には免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患があるから自然に治してくれるのではないか、と思いたくなります。

しかし、性病は風邪鼻やのど(上気道)が炎症を起こしている状態の総称。原因はほとんどがウイルス感染で、抗菌薬は効果がないのように自然に治ることがほとんどありません。性病が見つかったら病院に行かなければ治すことができません。

 

4-d. 羞恥心や罪悪感で病院に行きにくい

 

自分が性病だと思っても、性病にかかったと公言するのは誰しもはばかられます。お医者さんに性生活を説明するのも、性器を見せるのも恥ずかしいし、気を付けなかったことを怒られるのではないかと思うとますます行きたくなくなります。

しかし、性病は病院に行かないと治りません。

お医者さんにはプライバシーを守る義務があります。勇気を持って病院に行きましょう。

 

4-e. 最後のハードル、パートナーに伝えにくい

検査で性病とわかったら、大事な仕事があります。それはパートナーにも検査をしてもらうことです。

パートナーを疑ったり、ほかの人からうつったかもしれないと伝えるのはとても嫌なことです。

しかし、性病はパートナーと同時に治療しなければ治りません

もしパートナーにうつしてしまっていれば、自分だけ治療して治ったとしても、すぐにまたうつされてしまいます。

危険を知らせて、性病があるのかどうかをきちんと調べ、将来のさらに大きな危険に対策させてあげることが本当のパートナーへの愛です。

本来は最初から検査もパートナーと一緒にしたほうがよく、検査の結果を見てすぐに治療できる医療機関に行くのが確実なのですが、病院はちょっと敷居が高いと感じる人は、市販されている検査キットを使ってみてください。

きっちり治療して、健康な性生活を取り戻しましょう。