えんけいだつもうしょう
円形脱毛症
コインのように円く脱毛した状態。通常は1~2ヶ所で数か月で自然治癒することが多いが、時に多発したり脱毛部分が全身におよぶことがある
2人の医師がチェック 14回の改訂 最終更新: 2023.07.30

円形脱毛症の基礎知識

POINT 円形脱毛症とは

コインのように円い脱毛した部位が現れる病気のことです。通常は脱毛箇所は1箇所から2箇所で、自然治癒することが多いのですが、時に複数箇所が脱毛することがあります。円形脱毛症のメカニズムは自分のリンパ球が毛根を攻撃することと考えられていますが、詳しくは明らかにはなっていません。自然治癒する病気なので、基本的には治療を行わずに様子をみますが、範囲が広かったり脱毛箇所が多いときには治療目的でステロイド薬を塗布したり薬を飲むことがあります。円形脱毛症が心配な人は皮膚科を受診してください。

円形脱毛症について

  • コインのように円く脱毛する状態。多くは1~2カ所で数か月で自然治癒することが多いが、時に多発したり全身が脱毛することもある
  • 毛根の細胞が自分のリンパ球によって攻撃されてしまうことで、毛包が萎縮して毛がなくなってしまう
  • 毛根を攻撃してしまう明らかな原因は判明されていない
  • 自己免疫性疾患やアトピー性皮膚炎合併する場合があり、自己免疫が関係していると考えられている
  • 1−2%の人が円形脱毛症を経験し、患者の1/4は15歳以下である
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円形脱毛症の症状

  • 直径2~3㎝の丸い形を形成するように脱毛する 進行期には脱毛カ所の周辺の毛が抜けやすい
  • 治癒期には新しい毛が生えてくるようすがわかる
  • 通常は単発で数か月で自然治癒するが、頭全体に多発する全頭脱毛症に進行する場合もある
  • 頭髪以外に眉、ひげ、手足の毛など全身の脱毛をきたす汎発性脱毛症になることがあり、その場合は難治性である
  • 時に爪の変形を伴う

円形脱毛症の検査・診断

  • 脱毛部位の以下の項目を踏まえて医師が診断する
    • 見た目と触った感触
    • 抜毛テスト
    • 毛根の状態
    • 毛根及びその周囲の顕微鏡検査
    • 血液検査
  • 他の脱毛する疾患(トリコチロマニア(自己で毛を抜くこと特に子供に多い)や梅毒SLEなど)を除外する
検査・診断の詳細

円形脱毛症の治療法

  • 脱毛の範囲が狭ければ特に治療の必要なく数か月で治ることが多い
  • 脱毛の範囲が広くて治療が必要な場合は以下を用いる
    • 塗り薬:ステロイド、ミノキシジル
    • 局所免疫療法:ステロイドの注射、SADBE(わざとかぶれを起こす)、紫外線療法(PUVA)
    • 飲み薬:グリチルリチン、セファランチン、抗アレルギー薬、ステロイド(重症のみ)、免疫抑制剤(重症のみ)
    • JAK阻害薬:オルミエント、リットフーロなど
    • その他:進行する場合や全身が脱毛する場合はステロイドパルス(ステロイドの短期的な点滴)を行う場合もある(保険適応外)
  • 治療の選択に関しては、脱毛の程度や範囲と全身の状況を鑑みて専門的な医師が判断する
治療法の詳細

円形脱毛症の経過と病院探しのポイント

円形脱毛症が心配な方

よく言われるようにストレスの関与も考えられてはいますが、まだ証明はされていません。近年では自己免疫の影響も考えられています。
脱毛が小さく、一つだけならほとんどの場合は自然になるので心配はあまりありません。しかし、脱毛がどんどん広がる場合は治りにくいことが多いので、すぐに皮膚科を受診してなるべく早く積極的な治療を開始する方がよいでしょう。

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