こうじょうせんみぶんかがん
甲状腺未分化がん
5人の医師がチェック 54回の改訂 最終更新: 2017.11.30

甲状腺未分化がんの基礎知識

POINT 甲状腺未分化がんとは

甲状腺がんのうち1.5〜2%で、最も進行が早う悪性度が高いがんです。症状は甲状腺のしこりが急に大きく硬くなり、周りの赤みや疼痛などがおきます。周囲へ広がり、甲状腺の後ろにある気管に広がって呼吸困難を起こしたり、肺など全身へ転移します。声帯を動かす神経が麻痺して声がれがでたり、飲み込みにくさなどの症状がでます。診断は甲状腺超音波検査で、腫瘍に針を刺して細胞を調べます。その他に、血液検査、頸部CT検査、PET-CT検査などを行います。治療は非常に難しく、可能であれば手術を行い、放射線治療や抗がん剤を用いた化学療法を行うこともあります。進行が非常に速いため、甲状腺のしこりが急に大きくなったり、痛みなどが出た場合は、早めに内科もしくは、耳鼻咽喉科や甲状腺外科などを受診しましょう。

甲状腺未分化がんについて

甲状腺未分化がんの症状

  • 急速に大きくなる甲状腺のしこり
  • 前頸部の痛み
  • 前頸部の皮膚の赤み
  • 声がれ:声帯を動かす神経の麻痺による
  • 呼吸困難:腫瘍による圧迫、両側の声帯の麻痺
  • 嚥下困難(飲み込みにくさ)
  • 首のしこり:頸部リンパ節転移のしこり
  • 微熱があることもある

甲状腺未分化がんの検査・診断

  • 触診
    • 前頸部に硬くて、動かないしこりを触れる
  • 血液検査
    • 白血球数やCRPなどの炎症反応が上昇
  • 頸部超音波検査
  • 病理検査
    • がんを疑うしこりに針を刺して細胞を取り、悪性の細胞がないかを顕微鏡で調べる
    • 太い針で組織を取ったり、皮膚を少し切開して組織をとる検査をすることもある
    • 正確に診断するのに必要な検査

甲状腺未分化がんの治療法

  • これを行うべきといった確立した治療はなく、個々の状況に応じて治療する
    • 頸部にとどまっていて、周囲の臓器への広がりが少なければ手術を行う
    • 個々の状況にあわせて手術、化学療法放射線療法などを検討する
    • 分子標的薬の有効性も報告があり、選択肢の一つとなる
    • 進行が早いため、発見されたときに既に治療が困難なことも多い

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