もうさいけっかんかくちょうせいうんどうしっちょうしょう
毛細血管拡張性運動失調症
遺伝子の変異により、リンパ球(B細胞とT細胞の両方)が十分機能しなくなる原発性免疫不全症の一種
3人の医師がチェック 48回の改訂 最終更新: 2020.06.04

毛細血管拡張性運動失調症の基礎知識

POINT 毛細血管拡張性運動失調症とは

生まれつきリンパ球の免疫機能(B細胞もT細胞の両方とも)が低下している病気です。遺伝のしかたは常染色体劣性遺伝をという形式を取ることが分かっています。運動失調・不明瞭な話し方・毛細血管の拡張などの免疫力のとは一見関係がない症状も出現します。毛細血管拡張性失調症は遺伝子検査で診断します。また、免疫の低下の程度も血液検査で把握します。根治できる治療は現在のところは存在しないですが、ガンマグロブリンを補充したり抗菌薬を用いたりして免疫力の低下を補助します。毛細血管拡張性失調症が心配な人や治療したい人は、感染症内科を受診して下さい。

毛細血管拡張性運動失調症について

  • 遺伝子の変異により、リンパ球B細胞とT細胞の両方)が十分機能しなくなる原発性免疫不全症の一種
    • DNAの修復に関わるATM遺伝子の異常によって起こる
    • 常染色体劣性遺伝の形式をとる
  • 免疫不全症だけでなく、運動失調・多発する腫瘍・内分泌の異常・毛細血管の拡張などが起こる

毛細血管拡張性運動失調症の症状

  • 主な症状
    • 運動失調(小児が歩き始める時期に現れる)
    • 不明瞭な話し方
    • 毛細血管の拡張
      • 白目や耳、肘や膝などで目立つ
    • 感染症を起こしやすくなる
    • 気管支拡張症合併することがある
    • 内分泌異常(性器発育異常、精巣萎縮糖尿病など)

毛細血管拡張性運動失調症の検査・診断

  • 血液検査
    • 免疫力低下の原因を調べる
    • 遺伝子検査

毛細血管拡張性運動失調症の治療法

  • 対症療法として、ガンマグロブリン補充療法や抗菌薬使用が行われる
  • 30歳までに死亡するなど、想定される経過(予後)は良くない

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