こうじょうせんほるもんふおうしょう
甲状腺ホルモン不応症
甲状腺ホルモンに対する反応が生まれつき悪いため、それを補うために身体で多量の甲状腺ホルモンが作られる病気
3人の医師がチェック 45回の改訂 最終更新: 2019.01.09

甲状腺ホルモン不応症の基礎知識

POINT 甲状腺ホルモン不応症とは

甲状腺ホルモンに対する反応が良くないのを補うために、身体で過剰な量の甲状腺ホルモンが作られる病気です。遺伝する病気として知られています(常染色体優性遺伝)。甲状腺ホルモン不応症になると、甲状腺が腫れて大きくなることが多いです。ただし、痛みはなく自覚症状がないこともあります。甲状腺ホルモン不応症が疑われる人には血液検査や遺伝子検査、頭部MRI検査が行われます。ほとんどの人が治療をしなくても健康な人と同じような生活をおくることができますが、中には脈が早くなる症状が現れることがあり、その際には脈拍を減らす薬が使われます。

甲状腺ホルモン不応症について

  • 甲状腺ホルモンに対する反応が生まれつき悪いため、それを補うために身体で多量の甲状腺ホルモンが作られる病気
    • 甲状腺ホルモンに対して反応する甲状腺ホルモン受容体の異常が原因
    • 常染色体優性遺伝の形式で遺伝する
  • 日本では100人程度の患者が報告されているが、実際にはもっと多い可能性もあると考えられている
    • バセドウ病と診断されている患者の一部はこの病気の可能性がある
  • ADHDと関係があると言われている

甲状腺ホルモン不応症の症状

  • 甲状腺が大きくなる場合が多い
    • 痛みなどはない
  • ただし自覚症状は乏しい場合も多い
  • 心臓は甲状腺ホルモンへの反応性が比較的保たれていることが多いため、過剰な甲状腺ホルモンに心臓が刺激されて動悸が起こることもある
  • 重症例では先天性甲状腺機能低下症と似た症状が出る
    • 知能の発達の遅れや低身長、難聴など

甲状腺ホルモン不応症の検査・診断

  • 血液検査
    • 甲状腺ホルモンの量やそれによってどの程度まで身体に影響が出ているかを見る
  • 甲状腺ホルモンを使用しその反応を検査
  • 遺伝子検査
  • 頭部MRI検査
    • 場合によっては脳の下垂体腫瘍がないかなどを確認する

甲状腺ホルモン不応症の治療法

  • 多くの場合は治療は必要なく経過観察を行う 
    • 動悸などの心臓の症状が出ている場合はβ遮断薬の使用を行う

甲状腺ホルモン不応症のタグ

甲状腺ホルモン不応症に関わるからだの部位