フェルティ症候群の基礎知識
POINT フェルティ症候群とは
関節リウマチに加えて、白血球の減少と脾臓の腫れが起こる病気です。頻度は関節リウマチ患者の中の1%以下です。関節リウマチで見られる関節の腫れや痛み、変形に加えて、脾臓の腫れを起こすのが特徴です。白血球の数が減るので感染症に注意を払う必要があります。診断のために血液検査や、腹部超音波検査、CT検査などを行い、メトトレキサートを中心とした治療を行います。気になる人はリウマチ内科、膠原病内科を受診するようにしてください。
フェルティ症候群について
フェルティ症候群の症状
フェルティ症候群の検査・診断
- 診断のために以下があるかを確認する
- 関節リウマチの
所見 - 関節が腫れているか、痛みがあるか
- 症状の持続が6週間以上あるか
- 血液検査で
炎症 反応上昇があるか - 血液検査でリウマチ因子、CCP
抗体 があるか
- 血液検査で
白血球 の減少があるか - 腹部診察や画像検査で
脾臓 の腫大 があるか
- 関節リウマチの
フェルティ症候群の治療法
- 関節リウマチに対する治療をしっかりと行う
- メトトレキートを中心とした治療を行う
白血球 の減少に対しては感染症 を起こした場合には顆粒球コロニー刺激因子薬(G-CSF)の投与を検討する
フェルティ症候群の経過と病院探しのポイント
フェルティ症候群が心配な方
フェルティ症候群は、関節リウマチの一種です。指や手首、股関節の腫れや痛みが特徴的で、体の様々な関節が痛くなったり、朝起きた時に症状が強かったりします。これら関節リウマチの症状に加えて、皮膚に潰瘍(えぐれるような傷痕)ができたり、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなったりします。
ご自身の症状がフェルティ症候群でないかと心配になった時、もしかかりつけの内科があれば、一度そちらの受診をお勧めします。フェルティ症候群と似たような症状が出る病気があることや、またかかりつけの先生は長い経過もご存知であるためです。そこでフェルティ症候群の可能性があると判断されたら、リウマチ科、膠原病科すると良いと思います。他にどのような病気をお持ちであるか、これまでの検査結果はどのようなものであったかといった情報はとても参考になりますので、診療情報提供書(紹介状)をもらった上で受診されてください。
フェルティ症候群の診断は問診と診察、血液検査、そしてレントゲンやエコー、腹部のCTで行われます。これられでも診断が紛らわしい場合には、関節のMRIなどを行うケースがあります。
フェルティ症候群でお困りの方
フェルティ症候群の治療としては、内服薬や注射薬による治療が主体となります。完治が難しい病気なので、継続的に通院を続ける必要があります。
フェルティ症候群で入院が必要となるのは、関節の症状が重症化して手術が必要になったような場合や、感染症を起こした場合などです。そのようなことを事前に予防できるよう、通院しながら内服薬を調整し、症状と病気の勢いをコントロールしていくこととなります。
リウマチ専門医は二種類の医師に分かれます。内科系の医師と整形外科系の医師です。それぞれがリウマチの専門家ではあるのですが、関節の変形が進行して手術が必要になるタイミングの判断や、実際に手術を行うのは整形外科です。それに対して、細かなリウマチ薬の使い分けをしたり、感染症の治療をするのは内科医の方が得意としている医師の割合が多いです。