しんまくのうほう
心膜のう胞
心臓を包んでいる膜からできる袋状の腫瘍
2人の医師がチェック 34回の改訂 最終更新: 2022.04.05

心膜のう胞の基礎知識

POINT 心膜のう胞とは

心臓は膜に包まれており、この膜を心膜と呼びます。心膜に中身が液体の袋状の腫瘍ができることがあり、これを心膜のう胞といいます。無症状のことが多いのですが、腫瘍が大きくなると周囲の臓器を圧迫して、胸の痛みや圧迫感、せき、声のかすれなどの症状が現れます。CT検査やMRI検査といった画像検査によって診断が行われ、腫瘍が大きくなってくる人や悪性腫瘍の可能性が否定できない人では手術が行われます。心膜嚢胞は心臓血管外科で治療されることが一般的です。

心膜のう胞について

  • 心臓を包んでいる膜からできる袋状の腫瘍
    • 生まれつきの病気で、ほとんどの場合は良性腫瘍である

心膜のう胞の症状

  • 無症状であることが多い
  • 腫瘍が大きくなることで周囲の臓器(心臓、肺、食道、神経など)を圧迫・障害すると以下のような症状がでる
    • 胸の痛みや圧迫感
    • せき、喘鳴
    • 声がかれる
    • むせこむ
    • 呼吸がしづらくなる
    • 息が切れる
    • 胸がつかえる

心膜のう胞の検査・診断

  • 画像検査
    • 胸部CT検査
    • 胸部MRI検査

心膜のう胞の治療法

  • 以下のような状況でなければ、通常は様子を見ていくことになる
    • 積極的に治療を検討する状況
      • 腫瘍がどんどん大きくなる場合
      • 画像検査や経過から、悪性腫瘍が疑われる場合
      • 症状が出ている、出始めている場合  など
  • 治療の原則は手術による摘出
    • 胸腔鏡下手術や開胸手術で腫瘍の摘出を行う

心膜のう胞のタグ

心膜のう胞に関わるからだの部位