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妊娠糖尿病

妊娠糖尿病の基礎知識

妊娠糖尿病とは?

  • 妊娠によって血糖値が高くなった状態
  • インスリン拮抗ホルモン(血糖値を下げるインスリンの効きを抑えるホルモン)が妊娠すると増えることが原因と考えられている
  • 妊婦の5-10%程度が妊娠糖尿病を経験すると言われている
  • 母親が妊娠糖尿病であった新生児は低血糖になるリスクが高い

症状

  • 高血糖であること自体では症状はほとんど出ないが、母児ともに様々な異常に繋がる可能性がある

検査・診断

  • 妊娠初期、中期の血液検査で血糖値を確認する
  • 妊婦健診で毎回行う尿検査で尿糖の有無を確認する
  • 血液検査で血糖値が基準値を超えた場合、また児が週数に対して大きい場合、尿糖陽性が続いている場合
    • ブドウ糖負荷試験(空腹で受診しブドウ糖の溶けた水を飲み、血糖が1時間、2時間後にどれくらい上昇するかを確認する)で診断

治療

  • 血糖の厳重な管理が重要
    • 治療法としてはまず食事療法を行う
    • カロリー制限や分割食(1日の食事を6回に分けてとる)で血糖値の上昇を抑える
    • 薬物治療としては胎児に悪影響を与えることの少ないインスリン注射が選択される
    • 普段の血糖値がどの程度かを自身で確認するため、自己血糖測定を導入する場合が多い
  • 肥満がある場合は、体重を増やしすぎないように注意する
  • 産後に妊娠糖尿病は改善することも多い
    • 出産後はインスリンを中止する場合が多い
    • 産後6-12週間後に再びブドウ糖負荷試験受け、妊娠糖尿病が治っているかどうか検査する
  • 妊娠糖尿病を経験した人は、そうでない人と比べて将来的に糖尿病になる危険性が高いため定期的な検査が推奨される

妊娠糖尿病の経過と病院探しのポイント


この病気でお困りの方

妊娠糖尿病は、妊娠中に血糖値が上昇して発症する糖尿病です。妊婦健診の一環として血糖値測定が行われるため、自覚症状から疑われるというよりは、ここで診断がつく方が大半でしょう。

妊娠糖尿病は妊娠中のホルモンの変化によって一時的に血糖値が上昇しやすくなった状態です。産後は一旦血糖値が落ち着きますが、一度妊娠糖尿病になった方は、その後妊娠と関係なく糖尿病を発症しやすくなることが知られているため注意が必要です。また、妊娠中の糖尿病を放置していると、胎児が大きくなりすぎて分娩時に母子ともに悪影響が出てしまうため事前の治療を行って、血糖値を適切な範囲内に保つように心がけます。

妊娠糖尿病は決して珍しくないことであり、妊婦の5-10%に発症すると報告されています。妊婦健診の一環として食事指導が行われますが、食事に十分気をつけても血糖値が高いままである場合には、インスリン注射による治療を行います。インスリンの自己注射方法を学ぶため、そして糖尿病についての理解を深めてその後の自宅での生活の工夫に役立てるためなどの目的で、数日から1週間など、短期の入院が必要となることがあります。教育入院と呼ばれる入院です。インスリン療法は正しく行えば血糖値を適切に維持できる治療ですので、インスリン注射を自宅でご自身で行うために集中的に糖尿病とインスリンの関係、注射の手順、食事の工夫などについて学習することになります。

定期的に血糖値を測定することと、それと同時に自身でも糖尿病についての理解を深め、食事の工夫を含めたセルフケアを行っていくことが他の病気にも増して重要になるのが糖尿病です。





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