でんかいしついじょう
電解質異常(総論)
血液中の電解質(ミネラル)のバランスが崩れ、多すぎたり少なすぎたりした状態の総称
9人の医師がチェック 27回の改訂 最終更新: 2022.02.15

電解質異常(総論)の基礎知識

POINT 電解質異常(総論)とは

電解質とはミネラルのことを指し、代表的なものに、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。健康な人では電解質はある一定の濃度に保たれていますが、電解質の濃度が高くなったり低くなったりすることを電解質異常といいます。電解質異常の種類によって原因は異なります。電解質異常がある場合は原因の治療とともに、電解質の濃度を正常範囲内に戻す治療が行われます。

電解質異常(総論)について

電解質異常(総論)に関連する治療薬

カリウム製剤

  • 体内にカリウムを補充しカリウムが不足することでおこる脱力感や吐き気などの症状を改善する薬
    • 低カリウム血症は血液中のカリウム濃度が低下した状態で筋肉症状、消化器症状などがあらわれる
    • カリウムは筋肉や神経などの働きに関わる
    • 本剤はカリウムを含む製剤であり体内にカリウムを補充する
  • 利尿薬などの薬剤を使用中に起こりうるカリウム不足に対して使用される場合もある
カリウム製剤についてもっと詳しく

陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)

  • 腸管内で薬剤のもつ陽イオンをカリウムイオンと交換し、カリウムイオンを体外へ排泄させて血液中のカリウム値を下げる薬
    • 慢性腎臓病では腎臓の機能低下により血液中のカリウム値が高くなりやすくなる
    • 血液中のカリウム値が高いままだと高カリウム血症がおこりやすくなる
    • 本剤は腸管内でカリウムイオンを本剤のもつ陽イオンと交換し、体外へ排泄させる樹脂製剤
陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)についてもっと詳しく

カルシウム製剤

  • 体内にカルシウムを補充し、骨粗しょう症、高リン血症、消化器症状などを改善する薬
    • カルシウムは体内で骨を強くする作用、リンを体外へ排泄する作用、胃酸に対する制酸作用などをあらわす
    • 本剤はカルシウムを含有する製剤で、製剤毎の特徴などによって色々な疾患・症状に使用する
  • 本剤は主に有機酸系カルシウム製剤と無機系カルシウム製剤に分かれる
カルシウム製剤についてもっと詳しく

電解質異常(総論)の経過と病院探しのポイント

電解質異常(総論)が心配な方

電解質異常とは一つの病気の名前ではなく、高ナトリウム血症低ナトリウム血症、またナトリウムではなくカリウムやカルシウムといった電解質(ミネラル)の過不足を指した言葉です。それぞれで治療法が変わってきます。

上記のような症状に該当してご心配な方は内科の総合病院の内科での受診をお勧めします。その際には、どういう状況なのか(健康診断で電解質異常が判明したのか、何らかの症状があって電解質異常ではないかと自分で考えているのかなど)を正しく伝える必要があります。

電解質異常そのものを治療するだけでなくその原因となった病気を治療しなければなりませんので、腎臓の病気であれば腎臓内科、副腎の病気ならば内分泌代謝科など、原因が判明次第、実際には各科が担当になることがほとんどです。

電解質異常の診断は血液検査で行います。その上で、必要に応じて、尿検査や、心電図、頭部CT、腹部CT、腹部エコーなどのうちいくつかが行われます。そのため、これらの検査が行える、総合病院の内科を受診することをお勧めします。

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電解質異常(総論)でお困りの方

軽症であれば内服薬で様子を見ながら通院で治療することもありますし、重症の場合には意識障害やけいれん、心臓発作などの症状が出ますので入院となります。

電解質異常の原因によっては手術が必要となったり、特別なホルモンの検査が必要となったりします。これは比較的まれなパターンではありますが、そのようなケースでは手術が行える施設を備えた病院や経験の豊富な大学病院を紹介受診(または入院中の転院)することがあります。詳しくはそれぞれの電解質異常のページもご参考になさってください。

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