ついこつのうていどうみゃくじゅんかんふぜん
椎骨脳底動脈循環不全
首の後ろ側を通って脳に血流を送る椎骨動脈が細くなり、脳に十分な血液が運ばれなくなることで様々な症状が生じる病気
10人の医師がチェック 78回の改訂 最終更新: 2022.03.01

椎骨脳底動脈循環不全の基礎知識

POINT 椎骨脳底動脈循環不全とは

首の後ろ側を通って脳に血液を送る椎骨動脈が細くなり、脳に十分な血液が運ばれなくなる状態です。めまいや麻痺、失神などさまざまな症状が現れます。動脈硬化や椎骨動脈解離、頚椎(首の骨)の変形が関与しているとされます。椎骨動脈の状態や他の病気の可能性を否定するために画像検査(超音波検査やCT検査、MRI検査)が行なわれます。抗血小板薬や抗凝固薬(血液をさらさらにする薬)が治療に用いられ、必要に応じて手術で血管を広げます。椎骨脳底動脈循環不全はめまいや麻痺、失神などの原因の1つとして考えられます。 疑いがある場合は脳神経外科や神経内科を受診してください。

椎骨脳底動脈循環不全について

  • 首の後ろ側を通って脳に血液を送る椎骨動脈が細くなり、脳に十分な血液が運ばれなくなることで様々な症状が生じる病気
    • 出現する症状は一時的なことが多い
    • 椎骨動脈から十分な血流が流れないと、脳底動脈(主に小脳や脳幹を栄養する動脈)に十分な血流が流れなくなり、めまいや麻痺失神などの症状が起こる
    • 一過性脳虚血発作の一種
  • 主な原因
    • 動脈硬化
    • 椎骨動脈解離
    • 頸椎の変形
    • 生まれつき椎骨動脈が細い
    • 上記に加えて、姿勢などの影響で動脈が圧迫され、一時的に血流が流れなくなる
  • 50代以降に多くみられる

椎骨脳底動脈循環不全の症状

  • 主な症状は失神、めまい
  • 症状は、首を回したときに起こったり悪くなることが多い
    • 椎骨動脈は頚椎(首の骨)の中を通っていて、首を回すと椎骨動脈が圧迫されて細くなることが原因
  • 以下の症状が一時的に現れやすい
    • 目の前が暗くなる
    • 失神、立ちくらみ(のような感覚)、めまい
  • まれに手足の麻痺、耳鳴り、視力障害などの症状が出ることもある

椎骨脳底動脈循環不全の検査・診断

椎骨脳底動脈循環不全の治療法

  • まずは血液をさらさらにするような薬や、動脈硬化の原因となる病気の治療を行う
    • 脳血流改善薬:血液をさらさらにして血液の循環を良くする
    • 高血圧、糖尿病脂質異常症などがあればそれらに対する治療を行う
    • 喫煙している場合は禁煙を行う
  • 脳血管内の治療
    • カテーテルやメッシュの管で血管を拡張する
  • 脳梗塞のリスクがあるため、予防的な治療が必要となる

椎骨脳底動脈循環不全のタグ

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