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血栓性静脈炎、深部静脈血栓症

血栓性静脈炎、深部静脈血栓症の基礎知識

血栓性静脈炎、深部静脈血栓症とは?

  • 血栓を伴う静脈壁の炎症
    • 血栓性静脈炎:血栓ができたことが原因で起こった静脈炎。体の表面の静脈(表在静脈系)に起こりやすい
    • 深部静脈血栓症:手足の表面ではなく比較的内側にある静脈(深在静脈系)に血栓が生じた状態。時に炎症を伴う
  • 同じ静脈炎でも血栓性静脈炎は軽くてすむのに対して、深部の静脈血栓症は重症化しやすい
    • 塞栓(いわゆるエコノミークラス症候群)の原因となることもある
    • 両者を厳密に区別することは難しい
  • 静脈内の血栓が剥がれて血液の流れに乗ると肺の大事な血管に詰まってしまうことがあり、これを肺塞栓症と言う
    • 突然息が苦しくなったり胸が痛くなるなどの症状が出現する
    • 重篤な場合は命にかかわる
  • 主な原因
    • 静脈炎
      ・静脈瘤、外傷、感染が原因となることがあるが、多くは原因不明
    • 静脈血栓症
      ・寝たきりなど、同じ姿勢でいる
      悪性腫瘍
      ・女性ホルモン(エストロゲン経口避妊薬ピルの内服
      先天性もしくは後天性の凝固異常(血のサラサラ度のようなもの)など
  • 血栓性静脈炎に感染が伴っている場合は、治療に難渋することがある
    • 血栓が感染起炎菌の栄養となってしまう

症状

  • 特徴的な症状
    • 発赤
    • むくみ
    • 痛み(特にふくらはぎを掴むと)
    • 上記の症状部位が硬くなる
  • まれに発熱や悪寒などの全身症状が現れることもある

検査・診断

  • 視診、触診:下肢のはれ、色調、皮膚温、表在静脈の拡張などをみる
  • 超音波ドプラー法
    • 下肢の血栓の最も有効な検査法で、頻用されている
  • 静脈造影:血栓がどこにあるかを調べたりや圧の上昇を測定する
    • リンパ浮腫との区別が難しい場合がある

治療

  • 静脈炎に対して:局所の安静と湿布、弾性包帯などを用いる
  • 足を自分で動かしたり、マッサージをしたりすることが予防の上でも重要
  • 静脈血栓症に対しては、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)で治療する
    • 塞栓の危険性が高いような場合は入院して点滴で抗凝固薬の治療を行ったり、下大静脈フィルターという「網」を血管において血栓が肺に飛ぶのを防いだりする

血栓性静脈炎、深部静脈血栓症に関連する治療薬

FXa阻害薬(抗凝固薬)

  • 体内の血液が固まる作用の途中を阻害し、血栓の形成を抑え脳梗塞心筋梗塞などを予防する薬
    • 血液が固まりやすくなると血栓ができやすくなる
    • 血液凝固(血液が固まること)には血液を固める要因になる物質(血液凝固因子)が必要である
    • 本剤は血液凝固因子の因子Xa(FXa)を阻害し、抗凝固作用をあらわす
FXa阻害薬(抗凝固薬)についてもっと詳しく≫

クマリン系抗凝固薬(ワルファリンカリウム製剤)

  • ビタミンKが関与する血液凝固因子の産生を抑え、血液を固まりにくくし、血栓ができるのを防ぐ薬
    • 血液が固まりやすくなると血栓ができやすくなる
    • 体内で血液を固める要因になる物質(血液凝固因子)の中にビタミンKを必要とするものがある
    • 本剤は体内でビタミンKの作用を阻害し、ビタミンKを必要とする血液凝固因子の産生を抑えることで抗凝固作用をあらわす
  • ビタミンKを多く含む食品などを摂取すると薬の効果が減弱する場合がある
    • 納豆、クロレラ、青汁などはビタミンKを多く含む
    • 本剤を服用中は上記に挙げた食品などを原則として摂取しない
クマリン系抗凝固薬(ワルファリンカリウム製剤)についてもっと詳しく≫

ビタミンE製剤

  • 血管の血流改善により血行をよくしたり、コレステロールを低下させることなどにより、頭痛、肩こり、冷えや動脈硬化などを改善する薬
    • ビタミンEは脂溶性(脂に溶けやすい性質)ビタミンで、体内で活性酸素の働きを抑える
    • 活性酸素が過剰になると体の老化や動脈硬化などをおこす場合がある
    • ビタミンEはコレステロールの排泄や末梢血管の拡張にも関わる
  • ビタミンEの欠乏が関与する脊髄小脳変性症などに使用する場合もある
ビタミンE製剤についてもっと詳しく≫

ダビガトラン(直接トロンビン阻害薬)

  • 血液が固まる過程を阻害し、血栓の形成を抑え脳梗塞心筋梗塞などを予防する薬
    • 血液が固まりやすくなると血栓ができやすくなる
    • 血液凝固(血液が固まること)には血液を固める要因(血液凝固因子)が必要となる
    • 本剤は血液凝固因子の一つトロンビン(第IIa因子)を阻害し、血液の抗凝固作用をあらわす
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