ごぴーまいなすしょうこうぐん(ねこなきしょうこうぐん)
5p-症候群(猫鳴き症候群)
染色体異常による先天性の病気で、特徴的な顔つきや鳴き声をして、精神的な発達が遅れる疾患
7人の医師がチェック 159回の改訂 最終更新: 2019.02.20

5p-症候群(猫鳴き症候群)の基礎知識

POINT 5p-症候群(猫鳴き症候群)とは

染色体異常による先天的な病気です。人間の体の細胞には22対の常染色体と1対の性染色体があり、常染色体には1から22まで番号がついています。このう5番目の染色体の一部が欠失している病気が、5p-症候群です。甲高い猫のような鳴き声がすることや特徴的な顔つきから猫鳴き症候群と呼ばれることがあります(その他の特徴は下記参照)。精神発達障害や筋緊張の低下などの症状があり、疑われた人には問診や遺伝子検査が行われます。根本的な治療はなく、症状を和らげる治療が行われます。5p-症候群は小児科が中心になって検査や治療が行われます。

5p-症候群(猫鳴き症候群)について

  • 染色体異常による先天性の病気で、特徴的な顔つきや泣き声があり、精神的な発達が遅れる疾患
    • 5番染色体の一部の遺伝子が欠けていることが原因
  • 出生15000~50000人に1人
    • 家族に5p-症候群の患者がいる場合、新生児にも起こるリスクはわずかに高くなる
    • 約80%が、父親の精子に由来する染色体欠失を有している
  • 出生時の泣き声が甲高く猫のようであることから、別名「猫鳴き症候群」とも呼ばれている

5p-症候群(猫鳴き症候群)の症状

  • 甲高い子猫のような泣き声がする
  • 特徴的な顔つき
    • 小頭症
    • 眼の形の異常(アーモンド様眼裂と呼ばれる)
    • 両目が離れている
    • 耳の位置が低い
    • 斜視 など
  • その他に現れる症状
    • 精神発達障害
    • 鼠径ヘルニア:腹壁の弱い領域や破れから、臓器が突起している
    • 腎臓の先天的な形態異常
    • 筋緊張の低下

5p-症候群(猫鳴き症候群)の検査・診断

  • 問診:症状の聴取
    • 子どもの状態から病気を疑う
  • 染色体検査:染色体の異常の有無を調べる

5p-症候群(猫鳴き症候群)の治療法

  • 精神発達の遅れに対する治療
    • 運動発達、認知機能、言語の習得などに配慮した訓練を行う
  • けいれんに対しては抗けいれん薬の使用を行う
  • 摂食障害に対する治療
    • 摂食訓練を行う
    • 胃食道逆流症がある場合は胃ろうを作成したり、手術などの外科的治療を行う
  • 幼児から学童期以降では小児科定期検診の継続と、歯科、眼科の定期検診、リハビリテーションや幼稚園、小学校などでの特別支援教育の調整が勧められる
  • 合併症がなければ経過は良好

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