だうんしょうこうぐん
ダウン症候群
本来2本である21番染色体が3本あることによって、精神発達の遅れ、特徴的な顔つき、その他さまざまな障害を示す病気
11人の医師がチェック 130回の改訂 最終更新: 2020.03.13

ダウン症候群の基礎知識

POINT ダウン症候群とは

遺伝に関係する染色体の異常による病気です。人間の体の細胞には22対の常染色体と1対の性染色体があります。染色体には1から22まで番号がついており、21番目の染色体が3本(本来は2本)あるのが、21トリソミー(ダウン症候群)です。発症率は600人から1000人に1人とされており、母体の年齢が上がると確率が上がることが分かっています。「つり上がった目」や「小さな耳」「首の短さ」などが特徴的な症状です。また、心臓の病気や難聴、中耳炎、白内障などをともないやすいことが知られています。ダウン症にともなう病気がある場合は治療を行います。また、肥満になりやすいので、バランスのとれた食生活や運動習慣を持つことが大切です。ダウン症の子どもの相談したい人は小児科を受診してください。

ダウン症候群について

  • 本来2本である21番染色体が3本あることによって、精神発達の遅れ、特徴的な顔つき、その他の障害を示す病気
  • 出生600〜1000人に1人
    • 母体が高齢であるほど確率が高くなることが知られている
      • 35歳でおよそ400人に1人程度、40歳で100人に1人程度と言われている

ダウン症候群の症状

  • 特徴的な顔つき
    • 頭の形の異常
    • つり上がった眼
    • 小さい耳
    • 首が短い
  • その他の症状
    • 指が短い
    • 陰茎が小さい
    • 手足がだらんとしてしまう
  • 主な合併症

ダウン症候群の検査・診断

  • 出生前診断
    • お腹の中の赤ちゃんをエコー検査で調べて、発育が遅いことから疑われる場合がある
    • 血液検査(クアトロマーカーテスト):母体の血液を用いて行うが、検査の正確性が十分に高いとは言えない
    • 血液検査(NIPT):母体の血液を用いて行うが、同じく検査の正確性が100%ではないことや、倫理的観点から事前に十分な専門医との相談が必要
    • 染色体検査:羊水中の胎児の染色体異常の有無を確認する
      • 倫理的問題や課題(流産などの副作用)もあり、検査のを行うかどうかについては専門医と時間をかけて相談すべきである
  • 出生後の診断検査
    • 染色体検査:胎児の血液を用いて染色体異常の有無を確認する
  • 診断後の検査
    • 先天性心疾患合併しやすいため、心臓エコー検査心電図の検査を行う
    • 血液検査で甲状腺機能異常の有無を確認する
    • 頸椎(首の骨)の脱臼を起こしやすく、運動が活発になったら一度頸椎の評価をすることが望ましい

ダウン症候群の治療法

  • 根本的な治療法はなく、合併症などの症状に応じて治療を行う
    • 先天性心疾患消化管奇形は生後早期から外科的治療を要することもある
  • 病気との関わり方
    • 重い合併症がない場合は、時に生活サポートは行わずに見守る
    • 良好な食生活、運動習慣をつけるように育て、肥満や生活習慣病を予防することが望ましい
    • 定期診断に通うことが必要
  • 平均寿命は50歳以上
    • 二大死因は心臓の病気と呼吸器感染症

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