黄熱の基礎知識
POINT 黄熱とは
黄熱病ウイルスを持った蚊に刺されることで感染する病気です。日本国内で発症することはなく、アフリカや中南米で流行しています。軽症の場合の症状は発熱・頭痛・嘔吐などですが、重症の場合は発熱・頭痛・めまい・黄疸・出血・せん妄などになります。 血液中の黄熱病ウイルスに対する抗体やウイルスの遺伝子を確認して診断します。治療には特効薬はありませんが、症状が強い場合は症状を和らげる治療(対症療法)を行います。黄熱が心配な人や治療したい人は、感染症内科を受診して下さい。
黄熱について
- 黄熱病
ウイルス を持った蚊に刺されることで起こる感染症 。主に中南米、アフリカで流行している - 1年あたり約20万人程度がアフリカ地域、アメリカ地域で感染している
- アフリカ地域:アンゴラ、ウガンダ、エチオピア、カメルーン、ガーナなど
- アメリカ地域:アルゼンチン、エクアドル、ガイアナ、コロンビア、ペルー、パラグアイなど
- アジアと太平洋地域には存在しない
- 一度黄熱にかかり、回復すると、生涯にわたり黄熱に再びかかることはない(終生
免疫 ) - 予防接種で予防することができる
- 野口英世が黄熱の研究を行っている最中に、黄熱にかかって病に倒れたことが有名である
黄熱の症状
黄熱の検査・診断
黄熱の治療法
黄熱の経過と病院探しのポイント
黄熱が心配な方
黄熱はアフリカおよび南米で流行している感染症です。国内で感染することはありませんが、これらの流行地域から帰国後の方で頭痛発熱などの症状があれば可能性があります。
ご自身が黄熱でないかと心配になった時には、もしお近くに感染症科のある病院や、感染症専門医のいる病院があるのであれば、そのような病院を受診されるのが適切でしょう。黄熱そのものが国内では珍しいこともあり、慣れている医師でないと診断をつけることが困難です。受診の際には、いつからいつまでどこに旅行をしていたかを医師に伝えてください。
経過や症状からある程度疑うことはできても、特殊な検査を行わないと黄熱であるという診断はつけられません。ご自身が黄熱にかかっているかもしれないという心当たりがあれば、まずは受診前に病院に電話で相談なさることをお勧めします。病院によっては、そのような感染の疑いがあるという時点で、その施設では対応できないために他の大きな病院を紹介されるということがあります。
黄熱でお困りの方
黄熱は国内では見られない疾患であり、正しく診断をつけることがまず困難を伴います。しかし、診断がついたとしても特効薬があるわけではなく、基本的には入院の上で対症療法が行われます。重症化した場合には、集中治療室で人工呼吸器や様々な点滴薬を使用しながら、できる限りの治療を行います。
医療機関によって治療可能な水準が異なるため、中小規模の病院であれば、診断が黄熱だと判明した時点で(またはその疑いが生じた時点で)総合病院へ転院の上で治療となることがあります。