もうそうどう
毛巣洞
肛門周囲の皮膚の裏側に小さな袋状の空間がある状態。細菌が感染を起こしやすく問題となる
6人の医師がチェック 82回の改訂 最終更新: 2022.03.30

毛巣洞の基礎知識

POINT 毛巣洞とは

肛門周囲の皮膚の中に小さな袋上の空間ができることです。細菌感染が起こりやすいので、痛みが腫れなどを起こすことがあります。症状の聞き取りや、皮膚の状態から診断が行われます。穴が大きいときには、超音波検査やCT検査が行われることがあります。治療として、皮膚の穴を広げて、膿を洗い出し、毛巣洞を取り除き、清潔を保つことで再発を予防することができます。毛巣洞が心配な人は肛門科や一般外科を受診してください。

毛巣洞について

  • 肛門周囲の皮膚の裏側に、小さな袋状の空間がある状態
  • 細菌の感染によって引き起こされる
  • 以下のことが原因でできることがある
    • 生まれつきのもの
    • タクシーの運転手やパソコン関連の仕事など、長時間座ったままの状態が続くこと

毛巣洞の症状

  • 違和感
  • しこり
  • 痛み
  • うみ

毛巣洞の検査・診断

  • 症状の問診と皮膚の状態の診察から診断される
  • 超音波検査CT検査を行う場合もある

毛巣洞の治療法

  • 局所麻酔を行い、穴を広げてを洗い出す
  • 炎症が治まってから、手術で取り除くと、以後感染を起こさなくなる
  • 感染を起こさないように、清潔に保つことを心がける
  • 再発リスクは15-20%あると言われている
  • 感染が起こって化膿した場合に、起炎菌に有効な抗菌薬を使用することがある

毛巣洞の経過と病院探しのポイント

毛巣洞が心配な方

毛巣洞は肛門周囲の腫れや痛みの原因となります。自分では見えませんが、肛門の近くに小さな点状の穴ができていることが特徴です。

ご自身が毛巣洞でないかと心配になった時、まずはお近くの外科、皮膚科、形成外科のクリニックを受診することをお勧めします。その上で手術が必要だということになれば、最初にかかった医療機関から診療情報提供書(紹介状)をもらった上で専門病院を受診するのが良いでしょう。診療情報提供書がないと基本的な検査を一からやり直すことになってしまうためご注意なさって下さい。

ただし皮膚科や形成外科は得意分野(手術かそれ以外か、手術だとしても病気系か美容系か、など)が大きくクリニックによって異なるため、受診前にウェブサイトや電話で確認することが勧められます。

毛巣洞の診断は問診と診察で行います。エコーやCTを併用することもありますが、必須ではありません。

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毛巣洞でお困りの方

毛巣洞の治療は2通りあります。基本的には手術が必要となる病気です。ごく軽いものは抗生物質だけで対応することもありますが、将来的に手術が必要となることもあります。中等度以上のものでは、抗生物質だけで治療するのは困難です。

手術の場合は、切開排膿と言って傷を開くだけの手術(溜まったうみを出すことが目的)と、毛巣洞を切り取って根治させる手術の二種類があります。前者は局所麻酔で行い、クリニックでも対応可能です。その場で終わりますが、数週間の間は定期的に通院が必要です。初期には連日や1日おきに通院してガーゼを取り替えたり縫合を追加したりといった処置を行います。後者の場合は入院して行う手術です。入院期間はおおむね一週間前後でしょう。切開排膿は負担が少ないですが再発する可能性があります。

切開排膿は外科のクリニック、根治手術は外科、皮膚科、形成外科で入院ができる施設で行っていることが多いです。

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