あくせいせんいせいそしききゅうしゅ
悪性線維性組織球腫
脂肪、骨、筋肉にできる悪性腫瘍(がん)
7人の医師がチェック 85回の改訂 最終更新: 2022.03.11

悪性線維性組織球腫の基礎知識

POINT 悪性線維性組織球腫とは

脂肪や骨、筋肉などにできる悪性腫瘍です。しこりとして自覚されることがありますが、症状がほとんどないことも多いです。診断のために、画像検査や病理検査が行われることが多いです。転移がない場合は手術が行われますが、転移している場合は放射線治療や抗がん剤治療が行われます。手術で腫瘍を取りきることができれば、経過はよいとされています。悪性線維組織球症はできた場所によって診療科が異なります。手や足にできた場合は整形外科、後腹膜(腹部に存在する腎臓と大血管が収まるスペース)にできた場合は泌尿器科、胃や腸にできた場合は消化器外科です。

悪性線維性組織球腫について

  • 英語名:Malignant fibrous histiocytoma(MFH)
  • 脂肪、骨、筋肉にできる悪性腫瘍がん
  • 女性よりも男性に多い病気
    • 男:女=2:1
  • 50〜70歳に多い
  • 約5%の患者は、病気が見つかった時点ですでにほかの臓器に腫瘍転移してしまっている
    • 肺に転移することが多い

悪性線維性組織球腫の症状

  • 症状はないことが多い
  • 腫瘤(こぶ)ができる
  • 腫瘤が相当大きくない限り、運動障害や痛みは起こらない

悪性線維性組織球腫の検査・診断

  • 生検:腫瘤に針を刺して組織を採取しがん細胞の有無を調べる
  • 画像検査:腫瘍の大きさや位置を調べる
    • CT検査
    • MRI検査

悪性線維性組織球腫の治療法

  • 腫瘍の進行具合に応じて治療法を選択する
  • 腫瘍の重症度I~III(初期~中期)までの治療
    • 手術
      • 腫瘍摘出術
      • 形成手術
    • 放射線療法
    • 化学療法抗がん剤
    • リハビリテーション
  • 腫瘍の重症度IV(末期)の治療
    • 手術
      • 腫瘍摘出術
    • 放射線療法
    • 化学療法(抗がん剤)
    • 緩和ケア:痛み止めなどを用いて楽に日常を過ごせるようにする
  • 転移がなく、悪性度が低く、発症年齢が60歳未満などをすべて満たした場合は、予後は比較的良好であると言われている

悪性線維性組織球腫のタグ

悪性線維性組織球腫に関わるからだの部位