とうしつたいしゃいじょうしょう
糖質代謝異常症
糖質を分解して体のエネルギーにする酵素が十分に働かない状態
6人の医師がチェック 104回の改訂 最終更新: 2019.01.28

糖質代謝異常症の基礎知識

POINT 糖質代謝異常症とは

糖質を分解しエネルギーにする酵素の働きが不十分な状態のことを指します。遺伝が原因のこともあれば、食生活や自律神経の乱れによることもあります。原因によって症状は変わり、肝腫大(肝臓が大きくなる)や低血糖(空腹感や手足の震え)、下痢などさまざまです。糖質代謝異常症が疑われる人には血液検査や便検査、病理検査(肝臓や腎臓の一部を取り出して調べる)が行われます。原因によって治療法が異なり、食事療法や酵素補充療法が行われたります。糖代謝異常症は内分泌内科や小児科、新生児科で診療が行われます。

糖質代謝異常症について

  • 糖質を分解して体のエネルギーにする酵素が十分に働かない状態
  • 先天性(うまれつき)の原因
    • 遺伝
  • 後天性の原因
    • 偏った食生活による栄養バランスの乱れ
    • 自律神経の乱れ
  • 糖原病ガラクトース血症原発性乳糖不耐症などが含まれる
    • 糖原病:グリコーゲンという糖の代謝に関わる酵素の異常
    • ガラクトース血症:ミルクに含まれるガラクトースという糖の代謝に関わる酵素の異常
    • 原発性乳糖不耐症:乳糖という糖の代謝に関わる酵素の異常

糖質代謝異常症の症状

糖質代謝異常症の検査・診断

  • 血液検査:血糖値やHbA1c、全身のバランスを調べる
  • 病理検査:肝臓や腎臓の組織を一部採取して調べる
  • 便検査

糖質代謝異常症の治療法

  • 治療は病態によってさまざまで、代表的な治療法に下記のものがあるが、当てはまらない病態も多い
    • 食事療法:体の中で分解できない糖質を避け、代わりに分解できる物質をとる
    • 酵素補充療法:足りない酵素を補充する
  • 生涯にわたって治療が必要となる

糖質代謝異常症に関連する治療薬

乳糖分解酵素剤

  • 消化管内で乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解して乳糖不耐症などの消化器症状を改善する薬
    • 乳糖不耐症では乳糖を分解する酵素が不足し十分に消化できずに下痢や吐き気などの消化器症状がおこる
    • 乳糖はグルコース(ブドウ糖)とガラクトースという糖が結合してできた二糖類
    • 本剤は乳糖を分解する酵素を主成分とする製剤
  • 経口流動食などの摂取時におこる下痢などの改善に使用する場合もある
乳糖分解酵素剤についてもっと詳しく

糖質代謝異常症が含まれる病気

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