がいじしゅよう
外耳腫瘍
外耳道(耳の穴の外側)にできた腫瘍のこと。良性のほくろのようなものから、悪性腫瘍(がん)までを合わせた総称
7人の医師がチェック 74回の改訂 最終更新: 2021.03.11

外耳腫瘍の基礎知識

POINT 外耳腫瘍とは

外耳腫瘍は耳の穴から鼓膜までの、外耳道にできた腫瘍(良性も悪性も含む)の総称です。悪性腫瘍(がん)で最多の扁平上皮癌は、治りにくい耳だれの症状がみられ、出血や痛みがあります。一方、良性腫瘍は耳だれなどの症状や痛みはありませんが、耳垢が溜まりやすくなったり、音が聴こえにくくなったりすることがあります。診断は耳の穴を観察して行い、必要に応じてCT検査やMRI検査を行います。確定診断には腫瘍に針を刺して細胞の検査を行うか、一部を切り取って顕微鏡でよく調べる検査を行います。治療は、手術で腫瘍を切除することが基本です。外耳道癌の場合は、手術後に放射線などの治療が必要になることがあります。治りにくい耳だれや痛み、難聴などの症状がある場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

外耳腫瘍について

  • 外耳道(耳の穴の外側)にできた腫瘍
    • 良性ほくろのようなものから、悪性腫瘍がん)までを合わせた総称
  • 以下のことが原因となる
    • プールで水が耳に入る
    • 耳かきをしすぎる
    • 汗をかく
    • ブドウ球菌などの感染症
    • アレルギー
    • 皮膚炎
  • 腫瘍の種類とその特徴
    • 粉瘤アテローム):オカラ状の内容物が出てくる
    • 類皮性嚢腫:悪臭のする粥状の内容物が出てくる
    • 色素性母斑:大きなほくろ
    • 血管腫
    • 脂漏性角化症:加齢とともにできる良性の腫瘍
    • 腺腫:耳垢腺・皮膚腺から発生する良性の腫瘍
    • 肉芽腫:ピアスなどの刺激によりできたしこり
    • 悪性外耳腫瘍:皮膚がんの一種(基底細胞癌有棘細胞癌など)

外耳腫瘍の症状

  • 耳垢がたまる
  • 音が聞こえにくくなる
  • めまい
  • 耳鳴り

外耳腫瘍の検査・診断

  • 特別な検査は行わず、診察、問診、経過から病気を診断する
  • 細胞診
    • 綿棒などを使い耳の中の細胞を採取して、がん細胞がないかを調べる
  • 組織診
    • 場合によっては腫瘍の一部直接採取して調べる

外耳腫瘍の治療法

  • 手術(腫瘍を切り取る)
  • 放射線治療(特に悪性腫瘍の場合)
  • 以下の気をつけることで予防することができる
    • 耳や耳の穴を刺激しない
    • 耳かきはやわらかい綿棒などを使って優しく行う
    • プールの後は耳をよく洗う

外耳腫瘍のタグ

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