医師たちがつくる病気事典メドレー

下垂体腺腫

下垂体腺腫の基礎知識

下垂体腺腫とは?

  • 脳の下垂体というところにできる良性腫瘍
  • 病気の分類
    • 機能性下垂体腺腫:腫瘍が下垂体ホルモンを大量に作ってしまい、そのホルモンが多すぎることによって症状があらわれる
    • 非機能性下垂体腺腫:腫瘍自体は、下垂体ホルモンを作らない
  • 脳腫瘍の約20%を占める、比較的多い腫瘍
    • 成人に多い
      ・機能性は30代に多い
      ・非機能性は50代に多い
  • 下垂体腫瘍の中の内訳
    • 非機能性腺腫 (約40%)
    • プロラクチン産生腺腫(プロラクチノーマ) (約30%)
    • 成長ホルモン産生腺腫 (約20%)
    • 副腎皮質刺激ホルモン産生下垂体腺腫 (約5%)
    • 甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腺腫 (約1%)
    • その他 (約4%)

症状

  • 増えてくる腫瘍細胞が、下垂体ホルモンを作るかどうかによって、様々な症状があらわれる
  • 機能性下垂体腺腫で起こることが多い症状
    • プロラクチンが多く出る場合:最も多い
      ・月経不順や無月経、不妊、乳汁漏出(女性)
      ・性欲低下、女性化乳房(男性)
    • 成長ホルモンが多く出る場合
      先端巨大症:手足やおでこ、あご、唇などが大きくなる
    • ACTH副腎皮質刺激ホルモン)が多く出る場合
      ・クッシング病:顔が丸くなったり、胸や腹が太る
  • 非機能性下垂体腺腫で起こることが多い症状
    • 視神経の圧迫によって起こる症状
      ・視野障害
      ・視力低下
    • 正常な下垂体を圧迫することで起こる症状
      ・下垂体ホルモンの作られる量が落ちる(下垂体前葉機能低下症と呼ぶ)
       ・無月経(女性)
       ・勃起不全、性欲低下(男性)

検査・診断

  • 血液検査、尿検査:ホルモンの値を調べる
  • 視力検査:視野や視力を調べる
  • 画像検査:腫瘍の状況を検査
    • 頭部MRI検査:腫瘍の大きさや位置を調べる

治療

  • ホルモン不足による症状に対しては、ホルモン薬で補う
  • 症状がある場合は、基本的には手術で全摘出を目指す
    • 症状がなくても腫瘍の大きさなどによって手術を検討する
  • 主な手術:腫瘍の状況によって「開頭手術」か「経鼻内視鏡手術」が選択される
    • 開頭手術
    • 経鼻内視鏡的手術
      ・経鼻内視鏡的手術は特に専門性が高く、行える施設は限られている
    • 腫瘍の大きさ、部位、周囲構造との関係によっては、複数回の手術が必要な場合もある
  • 放射線治療
    • 周囲の血管、動脈、脳などに癒着し、全摘出が難しい場合に行う
  • 術後に様々なホルモンのバランスが崩れることがあるが、多くの場合は内服薬でコントロールできる
  • 再発率が高いため、治療後も定期的に経過を観察する必要がある
  • 小さな非機能性下垂体腺腫の場合は、定期的に頭部MRIや血液検査でホルモンの値を確認し経過観察する




version 7.4(β)
本サービスにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。本サービス上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
©Medley, Inc. All Rights Reserved.