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クッシング症候群

クッシング症候群の基礎知識

クッシング症候群とは?

  • さまざまな原因により、コルチゾールというホルモンステロイドホルモンの一種)が異常に作られすぎている状態
    • 副腎の外側の部分(副腎皮質)では3種類のステロイドホルモンが作られているが、その中でもコルチゾールが増えている状態をクッシング症候群と呼ぶ
  • コルチゾールが大量に作られてしまう原因は大きく分けて2つ
    • 副腎皮質にコルチゾールを作る命令をするホルモン(ACTH)が大量に作られすぎる(ACTH依存性クッシング症候群と呼ばれる)
    • 副腎皮質そのものに異常があり、コルチゾールが大量に作られすぎる(ACTH非依存性)
  • クッシング症候群を起こす病気の例
  • まれに、他の病気の治療のために使用されたコルチゾールが原因でクッシング症候群が起こることがある(医原性クッシング症候群)
    • この場合、コルチゾールの使用を中止すればクッシング症候群の症状は改善する
      (ただし、薬の使用期間にもよるが中止により副腎不全をきたす可能性があるため、薬の減量・中止については医師の指示を仰ぐ必要がある)
  • 発生数は全国で年に100人程度

症状

  • クッシング症候群は様々な症状を起こす
    • 基本的にはコルチゾールの影響だが、他の副腎皮質ホルモンアルドステロンアンドロゲン)が増えることによって症状が出ることもある
  • 外見、体型の変化
    • 顔や肩、体幹を中心に脂肪がついて、コロコロとして見える体型になる(中心性肥満、満月様顔貌と呼ばれる)
  • 皮膚の変化
    • 皮膚が薄くなる
    • 皮膚に線状の染みが残る
    • 内出血しやすくなる
    • 傷が治りにくくなる
    • にきびができやすくなる
    • 体毛が増える
  • 筋肉や骨の変化
  • 精神症状
    • 不眠
    • 抑うつ
  • 性機能の異常
  • その他

検査・診断

  • 原因となっている病気を特定するための検査
    • 血液検査、尿検査:ホルモンの量や、ナトリウム、カリウムなどの電解質の量を調べる
    • ホルモン負荷試験:様々なホルモンを内服または注射して、数分後、数時間後の血中のホルモン値の変化や反応を調べる
  • 腫瘍が疑われる場合は画像検査を行う
    • 腹部CTMRI検査:腫瘍の大きさや位置を調べる
    • 頭部MRI検査:下垂体腺腫の有無や大きさを調べる
    • PET検査悪性腫瘍が原因の場合、転移がないかを調べる

治療

  • クッシング症候群は様々な病気の結果として生じた状態なので、原因となっている病気を治療することが必要
  • ACTH依存性のクッシング症候群で、副腎の腫瘍が見つかった場合、それを手術で取り除くことが治療となる
  • ACTH依存性クッシング症候群の場合
    • 下垂体腺腫があれば手術や放射線治療を行う
    • 肺がん胸腺腫などが原因の場合は、手術や化学療法抗癌剤)や放射線療法を行う
    • 原因となっている病気の治療が困難な場合は、副腎皮質ホルモンが作られるのを抑える薬(メチラポン、ミトタン、トリロスタン)を使用する




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