じょうだいじょうみゃくしょうこうぐん
上大静脈症候群
上大静脈(上半身の血液を心臓に返す血管)が狭くなったり、詰まったりしたことで。むくみや呼吸困難などの症状が生じる状態
4人の医師がチェック 113回の改訂 最終更新: 2017.11.23

上大静脈症候群の基礎知識

POINT 上大静脈症候群とは

上大静脈症候群は何らかの原因で上大静脈が詰まったり狭くなったりして、血液のうっ滞が起こる病気です。その原因は肺がん・悪性リンパ腫・縦隔腫瘍・甲状腺がんなどが多いです。主な症状は頭・首・腕の血管のうっ血やむくみになります。まれに呼吸困難や頻脈が起こることもあります。身体診察と画像検査から診断します。治療は原因となっている腫瘍などの治療を行うことが優先されます。上大静脈症候群が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科や腫瘍内科を受診して下さい。

上大静脈症候群について

上大静脈症候群の症状

  • 頭や首、腕のむくみうっ血
    • 静脈が浮き上がる
    • さらに病状が進行すると皮膚がむくむ
  • 呼吸困難
  • 頻脈
  • チアノーゼ

上大静脈症候群の検査・診断

  • 画像検査:静脈のつまりの原因やうっ滞の程度を調べる
    • 血管造影検査:静脈の圧迫や詰まっているかを調べる
    • 造影CT検査:静脈の圧迫や詰まりの程度を調べる
    • MRI検査:静脈の圧迫や詰まりの程度を詳しく調べる
    • 超音波検査:静脈の圧迫や血管の中に血栓腫瘍が詰まっているのかを調べる

上大静脈症候群の治療法

  • これといった治療を行わなくても、側副血行路(別の通り道)が発達することで症状自体は自然軽快することも多い
  • 原因となっている腫瘍血栓に対する治療を行う
    • 腫瘍によって血管が詰まっている場合は、腫瘍の治療を行う
    • 場合によっては、血管を広げるために血管内治療ステント留置術)を行うこともある

上大静脈症候群のタグ

上大静脈症候群に関わるからだの部位