まんせいにくげしゅしょう
慢性肉芽腫症
生まれつき白血球の機能異常により免疫が弱くなるとともに、皮膚・リンパ節・消化管などに肉芽腫(炎症組織)ができる病気
5人の医師がチェック 73回の改訂 最終更新: 2018.02.15

慢性肉芽腫症の基礎知識

POINT 慢性肉芽腫症とは

生まれつき白血球の働きの弱い病気です。皮膚やリンパ節、消化管などに炎症による肉芽腫ができることも特徴です。主な症状は、肉芽腫や膿の蓄積になります。感染を起こしやすくなり、感染した臓器に応じた症状も見られます。診断は遺伝子検査で行います。治療は予防的に抗菌薬を飲んだりインターフェロン療法を行ったりします。また、ワクチンの接種や日頃からの手洗いうがいも大切です。慢性肉芽腫症が心配な方や治療したい方は、小児科や血液内科、感染症内科を受診して下さい。

慢性肉芽腫症について

  • 先天性白血球の異常により免疫が弱くなるとともに、皮膚・リンパ節消化管などに肉芽腫炎症組織)ができる病気
    • 白血球の中でも、体内に入り込んだ細菌真菌などを捕える役割をもった食細胞(マクロファージなど)に異常がみられる
  • 22万出生人口当たり1名
    • 日本では240名以上
    • 男児に多い
    • 男女比約7:1
  • 遺伝性であるが、家族に患者がいない例もある
  • 発症は生後数か月から始まり、重症感染症を繰りかえす
    • なかには小学生くらい大きくなってから発症する場合もある

慢性肉芽腫症の症状

  • 難治性の感染症発症
  • の蓄積:肛門のまわり・肺・骨・肝臓など
  • 肉芽種の形成:皮膚・リンパ節消化管など

慢性肉芽腫症の検査・診断

  • 遺伝子検査:遺伝子の異常の有無を調べる
  • CT検査:膿瘍の位置や大きさを調べる

慢性肉芽腫症の治療法

  • 主な治療
    • ST合剤・抗結核薬・抗真菌薬の予防的使用
    • インターフェロンγによる感染症抑制
  • 重症の場合、輸血や骨髄移植
  • 普段の生活で感染を防ぐ
    • ワクチン接種
    • 手洗い、うがい
    • 生卵や生肉を避ける
  • 平均寿命は25-30歳と言われている