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後頭神経痛

後頭神経痛の基礎知識

後頭神経痛とは?

  • 頭皮や筋肉にある神経(大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経)が原因となる、後頭部の痛み
  • 痛みのある場所によって3種類に分けられる
    • 大後頭神経痛:後頭部から頭の上の痛み
    • 小後頭神経痛:頭の外側(側頭部)の痛み
    • 大耳介神経痛:耳の後ろの痛み
  • 後頭神経痛の原因は多岐にわたる
  • 原因は三叉神経痛と共通するものが多い

症状

  • 後頭部の頭皮のピリピリ、チクチクするような痛み
    • 痛みの程度は人それぞれで、チクチク程度から激痛までありえる
    • 痛みは発作的に痛くなる人もいれば、痛みが持続する人もいる
    • 押すと痛む症状(圧痛)を伴う
  • 痛みに加えて頭皮の感覚の鈍さや、違和感を感じることも多い
  • 痛みは左右片側にだけ出ることも、両側に出ることもある
  • 片側に症状が出た場合は、片頭痛偏頭痛)や帯状疱疹との鑑別が重要になる
  • 吐き気やめまいなどは通常起こらない(片頭痛緊張型頭痛との違い)

検査・診断

  • 重要なことは、他の病気ではないことを確認すること
  • 帯状疱疹でないか調べるため、頭皮をよく観察する
  • その他の感染症の検査も行う
  • 首や頭の画像検査で、脳腫瘍(後頭蓋下腫瘍)、くも膜下出血椎骨動脈解離などによる痛みと区別する
    • レントゲンX線写真)
    • CT検査
    • MRI検査 など
  • 国際頭痛分類第3版β版により診断基準が提示されている
  • 診断基準A:片側または両側の痛みで基準BからEをすべて満たす
  • 診断基準B:痛みの範囲は大後頭神経、小後頭神経、第3後頭神経のどれかひとつ以上の支配域と一致する
  • 診断基準C:痛みの特徴が以下3点のうち2点以上を満たす
    • 数秒から数分続く痛みの発作を繰り返す
    • 激痛
    • ズキンとする痛み、刺すような痛み、鋭い痛み
  • 診断基準D:痛みは以下の両方に当てはまる
    • 頭皮または頭髪を刺激すると異常感覚やアロディニアが出現する
    • 障害された神経枝の圧痛があるか、トリガーポイント(大後頭神経の出口部またはC2領域)がある
  • 診断基準E:痛みは局所麻酔薬によるブロックで一時的に改善する
  • 診断基準F:ほかに最適な診断がない

治療

  • 病院の神経内科やペインクリニックが専門にしている
  • 神経痛自体は数日~1週間程度で消える場合が多い
  • 神経痛に対する治療として薬を使う
  • ビタミンB12:神経の修復を促す
    • 商品名メチコバールなど
    • 市販薬ではアリナミンEXプラスなどに含まれている
    • 副作用はまれ
  • NSAIDs:一般的な鎮痛薬(痛み止め)
    • 商品名ロキソニン、バファリンなど
    • 市販薬ではロキソニンS、バファリンAなど
    • 主な副作用に胃痛・胸やけなど
  • アセトアミノフェン:一般的な鎮痛薬
    • 商品名カロナール、コカールなど
    • 市販薬ではセデス、ノーシンなどに含まれている
    • 主な副作用は肝機能障害倦怠感など)
  • プレガバリン:神経痛に効く鎮痛薬
    • 商品名リリカ
    • 主な副作用に眠気・めまいなど
  • 三環系抗うつ薬:頭痛にも効果がある
    • アミトリプチリン(商品名トリプタノールなど)など
    • 主な副作用に眠気、めまいなど
  • カルバマゼピン:抗てんかん薬だが神経痛にも効果があり使われることがある
    • 商品名テグレトールなど
    • 主な副作用に眠気、ふらつきなど
  • 神経ブロック
    • 局所麻酔薬を神経のまわりに注射する
  • その他の治療法も研究されつつある
    • ステロイド薬炎症や痛みを抑える
    • ボツリヌス毒素の注射
    • 鍼治療
    • ラジオ波治療
    • 冷凍アブレーション
    • 皮膚から神経を刺激する治療
    • 神経を刺激する装置を埋め込み痛みを抑える治療
  • 痛みが出たり悪化することがあるため、ツボを押す治し方は勧められない




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