へいそくせいけっせんせいけっかんえん(ばーじゃーびょう)
閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)
血管の壁が炎症を起こして狭くなったり血栓をつくることで血管が詰まる病気。たばこを吸っている若い男性に起こりやすい
6人の医師がチェック 101回の改訂 最終更新: 2017.12.06

閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)の基礎知識

POINT 閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)とは

血管の壁が炎症を起こして狭くなったり血栓を作ったりして血管が詰まる病気です。たばこが閉塞性血栓性血管炎の発症に深く関わっていることが分かっています。主な症状は手足の冷えやしびれ・間欠性跛行などですが、病状が進行すると動かなくても痛みやしびれを感じるようになります。 症状が似ている閉塞性動脈硬化症との違いを見極める必要がありますが、そのために喫煙の有無や造影検査を行います。薬物療法・手術を用いて治療します。閉塞性血栓性血管炎が心配な人や治療したい人は、循環器内科や心臓血管外科を受診して下さい。

閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)について

  • 血管の壁に炎症が起きることで、血管が細くなったり血のかたまりができて、血管が詰まる病気
    • 腕や脚の血管が詰まり、その先に血が流れてこないことによる症状が起こる
  • 全国で約8000人いると言われている
    • 20-40歳代のたばこを吸っている男性に多い
  • 特に腕や脇の下付近の血管に起こりやすいと言われている
  • 閉塞性動脈硬化症と類似している

閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)の症状

  • 主な症状
    • 手足の冷え
    • 手足のしびれ
    • レイノー現象
    • 歩行障害:間欠性跛行(歩くとしびれが起きるが、休むとすぐ治る)
  • 血管の詰まりがひどくなると、指先に痛みが出てきたり、壊死したりすることがある

閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)の検査・診断

  • 造影検査:血管が細くなっていかを調べる
  • 似たような症状の出る閉塞性動脈硬化症との鑑別が大切

閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)の治療法

  • 禁煙が何よりも大切な治療
  • 禁煙をした上で以下のような治療を行う
    • 薬物療法
      • 抗血小板薬(血液を固まりにくくする)
      • 血管拡張薬(血管を広げて血液が流れやすくする)
    • 手術
      • バイパス手術:詰まった血管の先に新たに血管をつないで、血が流れるようにする(そこまで多く行われる手術ではない)
    • 交感神経節切除術、ブロック術:交感神経の働きを抑えることで、血管を常に拡張した状態にする
  • 喫煙を続けている限り治療の効果は出ないため、禁煙を厳守する必要がある

閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)に関連する治療薬

プロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)

  • 血行を良くすることで、血行が悪い状態でおこる手足の冷たさやしびれ、痛みなどを改善する薬
    • 血小板が凝集すると血液が固まりやすくなり血行が悪くなり血栓ができやすくなる
    • 体内でプロスタグランジンE1(PGE1)という物質は血小板凝集を抑え、血管を拡張させる作用などをもつ
    • 本剤はPGE1を元につくられた製剤で体内でPGE1と同じ様な作用をあらわす
  • 腰部脊柱管狭窄症に伴う下肢の疼痛やしびれなどを改善する効果もある
プロスタグランジンE1誘導体製剤(抗血小板薬)についてもっと詳しく

閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)のタグ

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