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家族性高コレステロール血症

家族性高コレステロール血症の基礎知識

家族性高コレステロール血症とは?

  • 生まれつき血中のLDLコレステロールが異常に高くなってしまう病気である
    • LDLコレステロールは肝臓で代謝されるが、家族性高コレステロール血症ではLDLコレステロールを肝臓にうまく取り込めない
  • 遺伝性の病気である
    • 常染色体優性遺伝という遺伝の仕方をする
    • 少なくとも親のどちらかは家族性高コレステロール血症がある
  • 遺伝子の組み合わせによって大きく2つの型に分類される
    • ヘテロ型
      ・LDL受容体に関わる遺伝子のどちらかに異常がある型
      ・およそ500人に1人と言われている
    • ホモ型(ヘテロ型よりも、遺伝子が強く影響するタイプ)
      ・LDL受容体とその働きのどちらにも異常がある型
      ・およそ100万人に1人と言われている
  • LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が250mg/dlを超えた場合は家族性高コレステロール血症を強く疑う

症状

  • 皮膚に黄色腫(コレステロールを多く含む黄色い組織のかたまり)ができる
    • 臀部(おしり)
    • 手首    に黄色腫が出現することが多い
  • 腱黄色腫
    • アキレス腱が肥厚して9mm以上の厚さになる
  • 高コレステロールに伴う動脈硬化(若いうちから虚血性心疾患脳梗塞を引き起こす)
  • 眼の黒い部分(黒目)の周りに脂肪が沈着する(角膜輪)

検査・診断

  • 血液検査:血液中のコレステロールの値を調べる
  • 必要であれば遺伝子検査も検討される

治療

  • 血中のLDLコレステロールを減らして動脈硬化を抑えるのが治療の目標
  • 薬物療法
    • スタチン系脂質降下薬:肝臓でのコレステロール合成を阻害する
    • 陰イオン交換樹脂:腸からのコレステロール吸収を抑える
    • 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬:小腸からのコレステロール吸収を抑える
  • LDLアフェレーシス療法:血液から直接LDLコレステロールを取り除く
  • 動脈硬化が進んでからでは血管は元に戻らないので、早いうちから治療を行うことが大切である

家族性高コレステロール血症に関連する治療薬

陰イオン交換樹脂

  • 消化管内で胆汁酸を吸着しそのまま体外へ排泄させてコレステロールを下げる薬
    • 肝臓で作られたコレステロールの一部は胆汁酸へ変換され消化管へ排泄される
    • 消化管へ排泄された胆汁酸の多くは腸で吸収され再びコレステロールとして利用される
    • 本剤は陰イオン交換樹脂という物質でできた薬剤であり、胆汁酸を吸着する作用をあらわす
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小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

  • 小腸におけるコレステロールの吸収を抑え、血液中のコレステロールを低下させる薬
    • 脂質異常症ではコレステロールなどの数値異常がおきている
    • 小腸では食事及び胆汁由来のコレステロールが小腸コレステロールトランスポーターという物質の働きによって吸収される
    • 本剤は小腸コレステロールトランスポーターを阻害し、小腸におけるコレステロール吸収を阻害する
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HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系高脂血症治療薬)

  • 肝臓におけるコレステロール合成を抑え、血液中の悪玉コレステロールを低下させ、動脈硬化などを予防する薬
    • 脂質異常症では血液中のコレステロールなどの数値異常がおきている
    • 肝臓ではHMG-CoA還元酵素というものの働きなどによりコレステロールが作られていて、作られたコレステロールは血液中へ移行する
    • 本剤はHMG-CoA還元酵素の働きを阻害し、肝臓におけるコレステロール合成を阻害する
  • 脳梗塞心筋梗塞などの予防目的で使用される場合もある
  • 薬剤の作用の強さ(LDLコレステロールの低下度など)による分類
    • 一般的には、作用の強さが比較的マイルドな薬剤を「スタンダードスタチン」と呼び、それに比べ作用が強い薬剤を「ストロングスタチン」と呼ぶ
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プロブコール製剤

  • コレステロールの胆汁中への排泄を促進させ血液中のコレステロールを低下させる薬
    • 肝臓において作られたコレステロールの一部は胆汁酸という物質に変換され胆汁として排泄される
    • 胆汁酸としての排泄を促進させるとコレステロール量の減少が期待できる
    • 本剤はコレステロールの胆汁酸としての排泄促進作用をあらわす
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カルシウム拮抗薬・HMGCoA還元酵素阻害薬配合剤

  • 血管収縮を阻害し血管を拡張させる作用とコレステロール合成過程で必要な酵素を阻害する作用により主に血圧やコレステロールを下げる薬
    • カルシウムイオンがカルシウムチャネルという通り道から細胞内へ流入すると血管収縮がおこり血圧が上昇する
    • 肝臓ではHMG-CoA還元酵素などの働きによりコレステロールが合成され、作られたコレステロールは血液中などへ移行する
    • 本剤はカルシウムチャネルを拮抗的に阻害し血圧を下げるカルシウム拮抗薬とコレステロール合成を阻害するHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の配合剤
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ヒト型抗PCSK9モノクローナル抗体(高コレステロール血症治療薬)(エボロクマブ、アリロクマブなど)

  • 血液中のLDLコレステロールを増加させる物質の働きを阻害し、LDLコレステロール値を下げることで主に家族性高コレステロール血症を改善する薬
    • 脂質異常症はコレステロールや中性脂肪などの数値異常により動脈硬化などの原因の一つ
    • 家族性高コレステロール血症脂質異常症の一つで、遺伝子変異よりLDLコレステロールの値が高くなる
    • 体内のPCSK9という物質は血液中のLDLコレステロールの増加因子
    • 本剤はPCSK9に結合しこの物質の働きを阻害することでLDLコレステロール値を下げる作用をあらわす
  • 本剤は通常、スタチン系薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬)と併用する
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