しきゅうきんそうえん
子宮筋層炎
子宮内に何らかの細菌が入り、子宮内膜の下の筋層にまで炎症が広がっている状態
5人の医師がチェック 72回の改訂 最終更新: 2018.12.12

子宮筋層炎の基礎知識

POINT 子宮筋層炎とは

子宮内に細菌が入り込み、子宮内膜の下にある筋肉の層に炎症を起こした状態のことです。流産の後や人工妊娠中絶、帝王切開の後に起こりやすいことが知られています。発熱や、下腹部の痛み、腰痛、排便痛などが主な症状です。子宮筋層炎が疑われる場合は、内診や細菌検査、超音波検査などで詳しく調べられます。抗菌薬やNSAIDs、子宮収縮薬などを使って治療が行われます。子宮筋層は産婦人科で治療が行われます。

子宮筋層炎について

  • 子宮内に何らかの細菌が入り、子宮内膜の下の筋層にまで炎症が広がっている状態
  • 以下の状態に起こりやすいことが分かっている
    • 流産
    • 人工中絶後
    • 帝王切開後
    • 子宮や卵巣の手術後  など
  • 子宮筋層炎を起こす主な起炎菌
  • 子宮留腫といった膿の溜まった状態になったら、手術で膿を取り除くことがある
  • 閉経・出産後の女性は、周期的な子宮内膜の剥脱がないため、細菌の排出が起こらず、細菌に感染する可能性が高くなる

子宮筋層炎の症状

  • 主な症状
    • 発熱
    • 下腹部の痛み(激しい痛み)
    • 月経でないときの月経痛のような痛み
    • 月経血が少なくなる
    • 腰痛、排便痛
    • 排尿時の腰痛
    • おりもの増加
  • 子宮内膜炎と同じような症状が現れるが、子宮内膜炎より重症化するケースが多い
    • 症状が進むと骨盤腹膜炎を起こす場合もある

子宮筋層炎の検査・診断

  • 内診:子宮の圧痛(圧迫した際の痛み)と腫れを確認する
  • 細菌検査:おりものなどから病原菌の特定を行う
  • エコー検査:子宮の状態を確認する

子宮筋層炎の治療法

  • 基本的に子宮内膜炎とほぼ同様の治療が行われる
    • 抗菌薬炎症の原因となっている菌を殺す
    • NSAIDs:炎症を抑える
    • 子宮収縮薬:流産後や分娩後の場合に用いられることがある
    • 子宮内にがたまる場合は、子宮頚管を広げて膿を出す
    • 膿(子宮留膿腫)が溜まって治療に難渋した場合は、手術で膿を取り除くことがある
  • 予防、再発予防方法
    • なるべく通気性のよい綿の下着をつける
    • 局部を清潔に保つ
    • 感染症を防ぐためにコンドームを着用する
    • 性行為の前後にシャワーを浴びる

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