ぐんぱつずつう
群発頭痛
片側の目の窪みからこめかみにかけて、突き刺すような激しい痛みを伴う重い頭痛
11人の医師がチェック 137回の改訂 最終更新: 2022.02.28

群発頭痛の基礎知識

POINT 群発頭痛とは

片側の目の窪みからこめかみにかけて、突き刺すような激しい痛みを伴う重い頭痛のことを言います。片側の目の周囲から前頭部・側頭部のあたりに突き刺すような激しい頭痛が何度も繰り返すことが特徴です。アルコール・タバコ・気圧の急激な変化などがきっかけになることがあります。診断を確定するために、頭部CT検査・頭部MRI検査などを行って他の頭痛を起こす可能性のある病気でないことを調べます。純酸素吸入法・薬物療法などで治療を行います。また日常生活で群発頭痛を引き起こしそうなものを避けるのも重要です。症状が出た場合は医療機関にかかって下さい。その際は救急科・脳神経内科・脳神経外科にかかることをおすすめします。

群発頭痛について

  • 片側の目の窪みからこめかみにかけて、突き刺すような激しい痛みを伴う重い頭痛
  • 頭部の血管拡張が関わっていると考えられている
    • 近年では視床下部との関係性が注目されている
    • アルコールやタバコ、気圧の急激な変化などが誘因となると言われている
  • 発生頻度は1000人に1人程度
    • 20-40歳の男性が多く発症する(女性の3-7倍)
  • 痛みは一定期間、たいてい1-2か月程度の間、連続して繰り返し出現する
  • 頭痛の起こっている期間のことを「群発期」と呼ぶ
  • 群発期以外の期間は、頭痛はすっかり治まってしまうことが多い

群発頭痛の症状

  • 頭痛の起きるタイミング
    • 頭痛が集中して起こる時期(群発期)がある
      • 1-2ヶ月間、ほぼ毎日起こる
    • 痛みは1日に約1-2回ほど生じ、毎日似たようなタイミングで痛み出すことも多い
    • 1回につき頭痛は数十分-数時間続く
    • 明け方に起こることが多い
  • 痛む場所
    • 片側が痛むことが多い
    • 目の奥や周囲に現れて、上あごや頭に痛みが広がる
  • 痛み方
    • 目の奥がえぐられるような激痛
    • 耐え難い痛み
    • 目の充血や涙、鼻水などを伴うことがある

群発頭痛の検査・診断

  • 特別な検査はなく、基本的に問診と診察から診断する
  • 画像検査:他の脳の病気でないことを確認する
    • 頭部CT検査
    • 頭部MRI検査

群発頭痛の治療法

  • 純酸素吸入法
    • 医療用の酸素ボンベから酸素を吸入する
    • 酸素を吸入して5分ほどで痛みは軽減していく
    • 8割の人に効果があるといわれている
  • 薬物療法
    • 発作時の治療薬
      • トリプタン系薬剤(スマトリプタン)の皮下注射
    • 血管拡張薬
    • 痛みに対してステロイド薬を使うことがある
  • 予防、再発予防方法
    • 飲酒やタバコなどが誘因になるといわれている
    • 群発期間は禁酒を守り、禁煙を心がける
    • 気圧の急激な変化が頭痛を引き起こすことがあるので、登山や飛行機に乗る際は、前もって医師に相談する

群発頭痛の経過と病院探しのポイント

群発頭痛が心配な方

群発頭痛は、1-2か月の間に、片側の目の周囲から前頭部、側頭部の辺りに突き刺すような激しい頭痛が何度も繰り返すことが特徴です。

実際に頭痛が起きている急性期であれば、救急科、脳神経外科、脳外科や神経内科の受診が適しています。頭痛が一旦治まっているが再発予防のための治療を希望する場合は、脳外科、脳神経外科、神経内科のある医療機関で、専門医(脳神経外科専門医、神経内科専門医)による診療を受けることをお勧めします。

群発頭痛の診断は問診と診察、頭部CTやMRIで行われます。群発頭痛は頭部CTやMRIを撮影しても特徴がなく診断できないのですが、他の頭の疾患がないかを調べるために行われます。

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群発頭痛でお困りの方

群発頭痛と診断がついた場合、急性期であれば酸素吸入療法やトリプタン系薬剤の皮下注射が行われます。他に血管拡張薬などを使うこともあります。

予防治療としては、カルシウム拮抗薬、エルゴタミン製剤、リチウム、バルプロ酸といった多くの薬が使われていますが、どれも100%頭痛を予防できるというほどのはっきりとした効果はありません。飲酒や喫煙が頭痛を引き起こすと言われているため、予防のためにはまずアルコールとタバコを避けるのが良いでしょう。

群発期(1-2か月)が過ぎれば頭痛は止まりますが、後に再発してしまう患者さんも多くいます。頭痛の中でも特殊な種類のものですので、専門医(脳神経外科専門医、神経内科専門医)による診療が勧められます。これらの医師であれば、クリニックと大病院の間で、受けることの出来る治療に大きな差はありません。使える薬剤は複数ありますので、主治医と相談しながらご自身に合った薬を探していってください。

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