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ヒ素中毒

ヒ素中毒の基礎知識

ヒ素中毒とは?

  • 急性ヒ素中毒と慢性ヒ素中毒に分かれる
  • 急性ヒ素中毒
    • 亜ヒ酸を飲み込んだり、吸い込んだりしたことにより起こる
    • 昔から自殺や他殺にしばしば使われていた
  • 慢性ヒ素中毒
    • 長期にわたって少量ずつ、ヒ素を摂取したり、吸い込んだりし続けた場合に起こる
    • 鉱山での仕事や、もともとヒ素を含んだ土地に住んでいる人に起こりやすい

症状

  • 急性ヒ素中毒
    • 食べ物などから亜ヒ酸を摂取すると、直後に激しい嘔吐が始まり、その後下痢も起こる
    • けいれんや精神障害が見られることもある
    • ショック症状や急性腎不全が起こると命に関わる
  • 慢性ヒ素中毒
    • 皮膚症状(全身の皮膚に色素沈着が起き、同時に皮膚が白くなった斑点が現れる)
    • 長期にわたってヒ素にさらされたあとには皮膚がんが発生することもある
    • 鼻血や鼻中隔穿孔などや末梢神経障害(しびれなど)も起こる

検査・診断

  • 急性ヒ素中毒
    • 蛍光X線分析法:吐物中のヒ素を調べる
    • 腹部レントゲン:ヒ素があるか調べる
      ・胃のなかのヒ素が写ることもある
    • 尿検査:尿中にヒ素があるか調べる
      ・摂取後数時間で尿中のヒ素が上昇し、高値は数か月続く
      ・数日たつと毛髪中のヒ素も上昇する
  • 慢性ヒ素中毒
    • 職業性の場合は、ヒ素にさらされた期間と作業環境中のヒ素濃度を調べる
    • 眼、鼻、口の粘膜刺激症状、皮膚症状、末梢神経炎の確認

治療

  • 急性ヒ素中毒
    • 摂取から数時間以内の場合にはすみやかに吐かせ、胃の洗浄を行う
    • 数時間以上たっている場合は、下剤や活性炭の内服を行い、解毒と排泄を促す
    • キレート剤(毒物を解毒する物質)としてジメルカプロールを使用することがある
      ・摂取の後、すぐ使用することが大切
    • 輸液を十分に行い、水分と電解質の管理を行う
    • その他、状態の応じて呼吸管理、対症療法を行う
    • 少量の摂取のみであれば、嘔吐や下痢のあと半日以内に自然に軽快することもある
    • 最重症では透析を行うこともある
  • 慢性ヒ素中毒
    • 治療薬として、ジメルカプロールが使われてきた
    • 全身性の黒皮症はヒ素のある環境から離れると徐々に軽快する
    • 色素沈着や白斑は持続的であり、角化症も改善しにくい傾向にある
    • 末梢神経炎は軽度であれば治り得る




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