えぷすたいんびょう
エプスタイン病
生まれつきの心臓病の一つ。三尖弁と呼ばれる右心房と右心室の間にある弁の位置が右心室側にずれてしまい右心室の形にも異常が見られるのが特徴
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最終更新: 2019.10.03
エプスタイン病の基礎知識
POINT エプスタイン病とは
エプスタイン病は生まれつき右心房と右心室の間にある三尖弁の機能が悪く肺の血流も落ちてしまっている病気です。病状が進行していない場合は症状がないこともありますが、進行すると息切れやチアノーゼなどの症状が出てきます。 症状や身体診察に加えて、心臓エコー検査や心臓カテーテル検査を用いて診断します。病状が軽い場合は手術を行わずに様子を見ますが、症状が出るような場合は手術を行って三尖弁を取り替えます。エプスタイン病が心配な人や治療したい人は、小児科や循環器内科や心臓血管外科を受診して下さい。
エプスタイン病について
エプスタイン病の症状
- 主な症状
- 呼吸が苦しくなったり、息切れがしたりする
三尖弁 逆流(三尖弁を通る血液が正しい向きだけでなく、逆流してしまうことがある)が強く、右心室 の力が正しく発揮できなくなってしまう- 心臓の血液を送り出す効率が悪くなってしまうため、全身の酸素が不足する
- 呼吸が苦しくなったり、息切れがしたりする
- 軽症であれば無症状の場合もある
- 重症になると
チアノーゼ や安静にしていても息切れを感じる
- 重症になると
エプスタイン病の検査・診断
心電図検査 - 波形に異常(幅広いP波、PRの延長、完全右脚ブロックなど)が見られる
心臓超音波検査 三尖弁 の位置の異常や心臓の動きを調べる
- 手術が必要な場合に行う検査
心臓カテーテル 検査:カテーテルを使って心臓の動きや形を調べる
- 3D
CT 、MRI 検査- 三尖弁の形状や
右心室 の変化に加えて肺動脈 の形状や肺容積の測定を行う
- 三尖弁の形状や
エプスタイン病の治療法
- 基本的な治療方針
- 治療方針の決定はその重症度によるので、しばしば専門家である循環器小児科医によってなされる
- 肺の血流量が十分に足りているのかどうかが治療方法の判断材料となる
- 治療方針の決定はその重症度によるので、しばしば専門家である循環器小児科医によってなされる
- 主な治療
- 不整脈が頻発する場合は内科的治療またはカテーテルによる焼灼(アブレーション)術が行われる
- 下記の場合には弁成形術あるいは弁置換手術などの手術が行われる
- 日常生活が制限される場合
- 心胸比65%以上の高度な心臓の拡大がある場合
- 高度の
チアノーゼ がある場合