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劇症肝炎

劇症肝炎の基礎知識

劇症肝炎とは?

  • 肝炎の一種で、発症してから急速に病状が進行し、致命的になり得るタイプのもの
    • 発症から8週以内に肝不全症状が出る
    • きわめて経過が悪く命に関わる疾患
  • 主な原因
  • 分類
    • 発症後、10日以内に脳症出現の急性型と、11日~56日で脳症出現の亜急性型に分けられる

症状

  • 主な症状
    • 発熱
    • 黄疸
    • 吐き気、嘔吐
    • 食思不振
    • 胸の不快感
    • 全身のだるさ
    • 羽ばたき振戦:腕を前に伸ばして手のひらを前に向けるような姿勢にすると、手首を中心に粗くゆっくりとした不規則な動きが出現する
       など

検査・診断

  • 血液検査
    • ウイルス性肝炎マーカーを調べる
    • 凝固異常:肝機能が低下すると血液が固まりにくくなる(PTが延長する)
    • 肝臓で作られるタンパク質の低下:アルブミン(Alb)が低下する
  • 腹部CT検査:肝臓に腫瘤がないか、腹水の量などを調べる
  • 腹部超音波検査CT検査と同様

治療

  • なるべく早く治療を開始する
    • ステロイド薬を短期間大量に使用する(ステロイドパルス療法)
  • 重症の場合、肝移植も行われる
    • 脳浮腫を高率に合併するため、そちらに対する点滴治療も主なう
  • 治療効果の良し悪しは病型に依存しており、肝移植を行わなかった場合の救命率は急性型約50%、亜急性型20~30%と報告されている
  • 原因ごとに見るとA型肝炎による場合は比較的救命されることが多く、急性型と亜急性型を合わせたうち約60%が救命される
    • B型肝炎自己免疫性によるものでは、急性型、亜急性型ともに救命率が低い

劇症肝炎の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

劇症肝炎は、急性肝炎のうちでも経過が早くかつ重症化する疾患です。元々B型肝炎がある方や、A型肝炎など他の急性肝炎をきっかけに発症します。

初期症状は急性肝炎と同じで、発熱、だるさ、黄疸などが出ますが、徐々に重症化して意識障害を来たします。ご自身が劇症肝炎を含む何らかの肝炎でないかとご心配な方は、まず近くの内科、もしくは消化器内科のクリニックを受診することをお勧めします。


この病気でお困りの方

劇症肝炎の診断がついた場合には、そのまま入院して治療が必要となります。劇症肝炎には特効薬がなく、肝臓を含む全身に起こる様々な異常に対して対症療法を行います。具体的には、肺の機能が低下すれば酸素吸入や人工呼吸、腎臓の機能が低下すれば血液透析といった具合です。

肝移植手術を受けるかどうかが大きな治療の分かれ目ですが、いずれの場合でも命に関わることが多い重症の疾患です。原則として、ある程度の医師数があってICU(集中治療室)があるような総合病院での治療が望ましいと言えます。主に診療に当たるのは消化器病専門医や肝臓専門医です。重症の場合には肝移植手術が行われますが、リスクの大きい手術であり、また手術が行える病院も国内では限られているのが現状です。





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