医師たちがつくる病気事典メドレー

成人スティル病

成人スティル病の基礎知識

成人スティル病とは?

  • 発熱・皮疹・関節症状の3つを主な症状として、全身に炎症が起こる病気
  • 原因ははっきりとしていないが、ウイルス細菌の感染が関係しているのではないかと考えられている
  • 罹患率は10万人あたり2人程度で稀な病気
  • 子供におこるスティル病(全身型若年性特発性関節炎)が、16歳以上の大人に起こっている状態と考えられている

症状

  • 発熱
    • 1日に1~2回、39度以上の高熱がでる
    • 夕方から明け方にかけて発熱することが多い
    • 発熱した際にのどの痛みが出ることがある
  • 皮疹
    • サーモンピンク疹とよばれる
    • ピンク色で数mm程度の丸い発疹が、おなかや背中、太ももなどにできる
    • かゆみはないことが多く、発熱したときに悪くなり、熱が下がると良くなる
  • 関節の腫れや痛み
    • 手首、肘、肩、膝、足などの大きな関節を中心に痛みや腫れが出る
    • 関節症状も発熱したときに悪くなることが多い
  • 上の3つの症状が主なものであるが、その他にも咽頭痛や皮膚掻痒感(かゆみ)など様々な症状が出る

検査・診断

  • 血液検査:全身にどの程度炎症が起こっているかなどを調べる
    • 肝機能の異常が起こることもある
    • 関節リウマチなど他の自己免疫性疾患で陽性になることが多いリウマトイド因子(RF)や抗核抗体は陰性であることが多い
  • 場合によっては必要な検査
    • 成人スティル病にのみ当てはまる症状や検査項目はない
    • ウイルス細菌などの感染症、その他の自己免疫疾患悪性腫瘍を除外するための検査も並行して行う

治療

  • ステロイド薬が治療の中心となる
    • 症状の重症度に応じて、内服量は変わってくる
  • 炎症の程度が強く、重度の肝障害や、血球貪食症候群DIC(播種性血管内凝固)を起こしている場合
    • ステロイドパルス療法(点滴で大量のステロイド薬を使用する)
  • ステロイド薬のみで炎症が抑えられなかったり、ステロイド薬の使用量を減らすのが難しい場合
    • 免疫抑制薬(メトトレキサート、シクロスポリンなど)
    • 生物学的製剤(アクテムラ)  など

成人スティル病の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

成人スティル病は、発熱、皮膚の赤み、関節の痛みを特徴とする病気です。体の様々な関節が痛くなったり、1日の中で熱が出たり引いたりします。

ご自身が成人スティル病でないかと心配になった時、まずはお近くの内科クリニックを受診することをお勧めします。似たような症状を示す疾患にも様々な種類のものがあるため、膠原病なのか、それ以外の病気なのかを判断する上で、一般内科の受診が良いでしょう。その上で膠原病だということになれば、最初にかかった医療機関から診療情報提供書(紹介状)をもらった上で専門病院を受診することになります。診療情報提供書がないと基本的な検査を一からやり直すことになってしまうため、ご注意なさって下さい。

成人スティル病の診断は問診と診察、血液検査で行います。スティル病の診断のためというよりも、他の病気を除外するために関節のレントゲンエコーMRIも行われます。

成人スティル病と診断する前に、様々な感染症や膠原病でないことを確かめる必要があります。熱があって、皮膚が赤くて、関節が痛いと3つの症状が揃っていたとしても、それだけでは成人スティル病ではない可能性の方が(頻度的に)高いと言えます。


この病気でお困りの方

成人スティル病はまだ詳細な原因がわかっていません。治療も根治療法というよりは、症状を抑えるための対症療法が中心となります。

頻度の高い病気ではないため、診療は専門医の下で行うことが勧められます。該当する専門医はリウマチ専門医になりますが、これには内科系のものと整形外科系のものと2種類あるため区別が必要です(両者を認定しているのは同じ学会です)。成人スティル病を診療するのは内科系のリウマチ専門医になります。専門医資格としては同じリウマチ専門医という名称なので区別ができませんが、その医師が内科に所属しているのか、整形外科に所属しているのかが分かれば判断がつくかと思います。

他の科の病気と比べると、適切に診療できる経験をもった医師が少ないのが膠原病でもありますが、長く付き合っていく病気であるため、信頼できる主治医を見つけることが大切です。





version 7.4(β)
本サービスにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。本サービス上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
©Medley, Inc. All Rights Reserved.