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急性リンパ性白血病

急性リンパ性白血病の基礎知識

急性リンパ性白血病とは?

  • 骨髄で未熟な細胞が異常に作られてしまう血液のがん
  • 急性白血病は、異常に作られる細胞の種類により、以下の2つに分けられる
    • 急性骨髄性白血病リンパ球以外の白血球の異常な増殖
    • 急性リンパ性白血病:リンパ球の異常な増殖
  • 主な原因
    • 一般的には家族内で遺伝することはなく、偶然発症するものと考えられている
    • 小児の先天性疾患(生まれつき存在する病気)の一部に合併しやすいことがある
  • 年齢によって発症率が大きく異なり、2~4歳にピークがあり、青年期~壮年期にかけては少なめであるが、60歳を過ぎると再び増加する
    • 男性の方が女性より若干多い
    • 腫瘍細胞の染色体に異常がある場合、治療成績が左右されることが知られている

症状

  • 主な症状
    • 発熱
    • 貧血
    • 動悸
    • 息切れ
    • わずかな刺激で出血する
    • 免疫力の低下
  • 脳や脊髄などの中枢神経に病気が及ぶと、頭痛や吐き気などの症状が現れることもある

検査・診断

  • 血液検査:異常な白血球の検出されないかなどを調べる
    • 白血球以外に、赤血球血小板の数にも異常がないかを確認する
  • 骨髄検査:白血病細胞が増殖していないか調べる
  • 遺伝子検査:遺伝子情報を調べ白血病のタイプを調べる
  • CT検査:他の病気(リンパ腫など)と区別するため、全身のリンパ節が腫れていないかどうか調べる
    • 肺炎などの感染症合併していないか検査

治療

  • 治療の目標は白血病の細胞を根絶し、長期生存を得ること
  • 主な治療法
    • 様々な抗がん剤(点滴・飲み薬)を組み合わせて使用する
      ・入院治療が必要なことが多い
      ・治療を段階的に分けて行っていく(順番的に寛解導入療法、地固め療法、維持療法といった治療を行う)
      ・治療期間を合計すると、半年〜2、3年かかるケースもある
    • 抗がん剤をどのようなスケジュールでどのように用いるのが一番良いかはわかっておらず、現在研究が行われている
  • 成人では、再発率が高く、長期生存率は30〜40%程度と言われている
  • 小児の急性リンパ性白血病は平均すると大人よりも治りやすく、特に治りやすいグループでは8割以上で長期生存すると言われている
  • 場合によっては、骨髄移植を行うことがある

急性リンパ性白血病に関連する治療薬

代謝拮抗薬(プリン拮抗薬)

  • DNAの構成成分に類似した化学構造をもち、細胞増殖に必要なDNA合成を阻害して抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序に増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞増殖に必要なDNAの成分にプリン塩基と呼ばれる物質がある
    • 本剤はプリン塩基と同じ様な構造をもち、DNA合成の過程でプリン塩基の代わりに取り込まれることなどにより抗腫瘍効果をあらわす
  • 本剤は薬剤毎それぞれの作用により抗腫瘍効果をあらわす
代謝拮抗薬(プリン拮抗薬)についてもっと詳しく≫

分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔Bcr-Abl〕)

  • 白血病細胞の増殖に必要な異常なタンパク質による働きを選択的に阻害し抗腫瘍作用をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 慢性骨髄性白血病では変異した染色体から異常なタンパク質が作られ無秩序な細胞増殖を引き起こす因子となるBcr-Ablチロシンキナーゼという酵素が産生される
    • 本剤はBcr-Ablチロシンキナーゼに結合しその活性を阻害することで、がん細胞の増殖抑制作用をあらわす
  • 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定の分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
  • 本剤の中には消化管間質腫瘍GIST)に対して抗腫瘍効果をあらわす薬剤もある
分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔Bcr-Abl〕)についてもっと詳しく≫




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