じょういんとうがん
上咽頭がん
鼻から口蓋垂(のどちんこ)のあたりまでの部分にできたがん
6人の医師がチェック 118回の改訂 最終更新: 2017.12.06

上咽頭がんの基礎知識

POINT 上咽頭がんとは

咽頭がんのうち、鼻の奥から口蓋垂(のどちんこ)の高さまでにできるがんを上咽頭がんといいます。鼻や耳につながる部分のため、鼻づまり、鼻血、鼻汁、耳のつまった感じ、耳鳴り、難聴などの症状がでます。がんが進行すると、顔のしびれや、ものが二重に見えたり、首のリンパ節に転移すると、硬いしこりとして触れます。症状がでにくく、診断時に半分以上の人に首のリンパ節転移があります。診断は細いカメラ(ファイバースコープ)を鼻から入れて行います。がんであることを確かめるために、腫瘍を一部切り取って組織診断を行います。がんの広がりや転移を調べるために、CT検査、MRI検査、超音波検査、PET-CT検査を行います。治療は放射線治療、化学療法(抗がん剤)、手術治療を組み合わせて行います。症状がある場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

上咽頭がんについて

  • 上咽頭がんとは鼻から口蓋垂(のどちんこ)のあたりまでの部分にできたがん
  • EBウイルスの関与が大きいと考えられている
  • 年間約500人程度発症する
    • 男性が多い(女性の3倍)
    • 40-70代に多い

上咽頭がんの症状

  • 上咽頭は鼻で呼吸したり、耳管を通して耳の圧の調整を調整するのに関わる
    • がんができると鼻や耳に症状が出る
  • 主な症状
    • 鼻の症状
    • 耳の症状
      • 耳がつまった感じ
      • 耳鳴り
      • 難聴
    • その他の症状
      • 目が見えにくくなる
      • 二重に見える(複視
      • 首のリンパ節の腫れ

上咽頭がんの検査・診断

  • 咽頭鏡検査
    • 置くまで覗き込めるため、簡単には視診で確認できない部分を調べることができる 
  • 組織診
    • 組織を採取し、腫瘍がんであるか顕微鏡で詳しく調べる
  • 場合によっては必要な検査
    • 血液検査:腫瘍マーカーを使って、がんの増殖具合などを調べる
    • 画像検査:頚部のリンパ節にがんが転移していないかなどを調べる
      • 超音波検査
      • CT検査
      • MRI検査
  • これらの検査により、がんの進行の程度を病期ステージ)で分ける

上咽頭がんの治療法

  • 治療は放射線療法抗がん剤化学療法)を組み合わせて行う
    • 治療の基本は放射線療法が主体
    • 進行時に化学療法を使うことが多い
  • 手術しても再発することが少なくないため、実際に手術が行われることは多くない
  • 外来での定期的な経過観察と画像検査を行い、がんの再発の有無を確認する

上咽頭がんのタグ

上咽頭がんに関わるからだの部位