かかんきしょうこうぐん
過換気症候群
不安や興奮などによる、いわゆる過呼吸によって体内の二酸化炭素のバランスが崩れ、しびれなどの症状を起こしている状態
17人の医師がチェック 125回の改訂 最終更新: 2021.05.20

Beta 過換気症候群についての医師コメント

45才女性、数年前に呼吸苦で救急搬送され過換気症候群の診断で帰宅となっている。今回、呼吸があらいとのことで救急車を家族が呼んだ。来院時バイタルサインには特記事項なく、SpO2も100%であった。呼吸は確かにあらく、元気がなさそうであった。来院後も呼吸回数は減らず、念のため施行した血液検査では血糖が400mg/dlであった。よくよく聞いてみると最近近医で糖尿病と診断されたが放置していたとのこと。尿中ケトン体も検出され、糖尿病性ケトアシドーシスによるクスマウル呼吸であったと考えた。このように過換気症候群と見せかけて別の病気が隠れていることもあります。


匿名協力医師
実際の治療例
2015.04.27

急に息が苦しくなり、手足もしびれてきた、これは脳で大変なことが起きているのではないか、死んでしまうのではないかという不安が強くなって救急車を呼ぶ方が非常に多いです。実際は過換気症候群であることが多いです。ペーパーバッグ法が一般の方にもよく知られており、実際効果は高いと思いますが、非常にまれながら死亡例もあり、一般の方がやるのはお勧めしません。しゃべらせる、腹式呼吸をさせる、などが有効です。注意すべき点として、過換気症候群に紛れて別の重篤な疾患が隠れていることが稀にあります。何かおかしいと思ったら受診を。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.04.27

過換気症候群は多くの場合、呼吸状態が落ち着けば自然に治ります。
初めは苦しいですが、意識して呼吸をゆっくり行うことが有効です。
また、周囲にいる人もびっくりしたり、心配になるあまり、患者さん本人に過度の介入をしてしまう場合が少なくありません。
付き添いの人も落ち着いて、呼吸がゆっくり行えることを待つ必要があります。
過換気症候群だけでは致命的となることはなく、後遺症も無く治ります。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.03.01