医師たちがつくる病気事典メドレー

ハチ刺傷(ハチ刺症、ハチさされ)

ハチ刺傷(ハチ刺症、ハチさされ)の基礎知識

ハチ刺傷(ハチ刺症、ハチさされ)とは?

  • ハチ刺され
    • 刺された箇所の腫れや痛みだけでなく、刺された際のハチ毒が原因となって全身のアレルギー反応が起こることがある
    • 中には窒息の危険のある症状も含まれる(アナフィラキシー
  • 同じ種類のハチに2回目以降に刺された場合に重症になりやすい
    • 1回目で体内にハチに対する免疫ができて、2回目に刺された時にその免疫が活発になりすぎてかえって強いアレルギー反応を起こしてしまうことが原因
    • 一度刺された後に、それ以降も再び刺されるリスクが高い人(ハチ駆除業者の方や、山林で仕事を行う方など)の場合、アナフィラキシーを起こした時に備えて自分で打てる注射製剤(エピペン)を持っておくという手段がある

症状

  • 刺された箇所の異常
    • 痛み
    • かゆみ
    • 腫れ
    • 熱をもつ
    • しびれ
  • 刺されたことをきっかけに生じる全身のアレルギー反応(アナフィラキシー
    • 全身のかゆみ
    • 息苦しさ
    • 腹痛
    • 意識の低下

検査・診断

  • 局所の腫れと、ハチそのものの目撃状況から判断する
  • 刺された虫がハチだったかどうかを、検査で調べることは難しい
    • ハチと同じように大きく腫れる原因となりやすい虫には、アブやムカデなどがある

治療

  • 軽症の場合の治療薬
    • 飲み薬の痛み止め(NSAIDs)に加えて、塗り薬(主にステロイド薬)を用いる
    • ハチの種類に応じて、症状が強くなりそうな場合には、抗ヒスタミン薬やステロイド薬の内服も追加する場合がある
  • アナフィラキシーを起こしている場合の治療
    • 呼吸が苦しい、意識が低下してぼーっとするなどの症状があれば、直ちに救急車で病院を受診して治療を受ける
    • アドレナリンの注射を行った上で、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬を使用する
    • 同時に点滴を行い、血管内の水分を補う
  • 抗ヒスタミン薬
    • アレルギー反応を鎮める効果があり、かゆみや腫れなどに対して用いる
    • 外用薬内服薬、注射薬がある
  • ステロイド薬
    • 上記と目的は重なるが、抗ヒスタミン薬だけでは効果が不十分な場合に用いられる
    • 外用薬、内服薬、注射薬がある

ハチ刺傷(ハチ刺症、ハチさされ)の経過と病院探しのポイント


この病気でお困りの方

ハチに刺されて症状が強い方は、受診先として皮膚科や外科クリニックをお勧めします。刺された箇所の痛み、腫れ、かゆみ、しびれといった皮膚表面の症状が一般的です。しかし2回目以降、同じ種類のハチに刺されるとアナフィラキシーといって強いアレルギー反応が出ることがあります。呼吸苦やのどの詰まり、腹痛や下痢など、アナフィラキシーのような反応がある場合には、すぐに救急車を呼んで下さい。

アナフィラキシーを予防するためにはアレルギー専門医と相談の上で応急処置としてのアドレナリン自己注射キットを処方してもらうこともあります。

ハチ刺傷の診断に有用な検査はなく、問診と診察で診断をつけます。患者さんが刺されたハチを目撃していない限り、後から原因がハチなのか、その他の虫なのか、それ以外なのかを判断することは困難です。アブやムカデといった虫でも同様の症状が出現します。特にCTなどの検査を行うわけではないので、診断のために大病院を受診しなければならない、ということはありません。

刺された箇所の痛み、腫れ、かゆみ、しびれといった皮膚表面の症状のみの場合は、軟膏と内服薬が治療の中心です。しかし例えばハチ駆除が専門の方、山登りや森に入ることが多い職種の方や趣味のある方などは、ハチに複数回刺されるリスクがあり、アナフィラキシーに注意が必要です。このような場合にはアドレナリン自己注射キット(商品名エピペン)といって、万が一の際に自分で足に注射するための注射キットがあります。医療者ではなくともマニュアル通りにやれば自分で確実に注射ができるように工夫されたものです。山中でハチに刺されてアナフィラキシーになったら、そこから下山して救急車を呼ぶのでは対応が間に合わないため、このようなものが用意されています。

このアドレナリン自己注射キットを処方するためには、医師も事前に講習を受けて登録をしていなければなりません。どの医師でも処方できる薬ではないため、受診する際には事前にエピペンの処方が可能かどうかを確認しておくと良いでしょう。アレルギー専門医であれば処方できる医師は多いですし、皮膚科や救急科などでも対応が可能な医師がいます。





version 7.4(β)
本サービスにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。本サービス上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
©Medley, Inc. All Rights Reserved.