ないなんこつしゅ(なんこつしゅ)
内軟骨腫(軟骨腫)
良性の骨腫瘍。骨軟骨腫の次に多い。手の骨や、足の骨に起こりやすいく、骨がもろくなった影響で病的骨折を起こしやすい。
5人の医師がチェック 86回の改訂 最終更新: 2022.03.11

内軟骨腫(軟骨腫)の基礎知識

POINT 内軟骨腫(軟骨腫)とは

本来は骨の表面を覆うはずの軟骨が、骨の内部で異常に増えてしまう良性腫瘍です。手足の小さな骨にできることが多いです。内軟骨腫ができるとその部分に痛みや腫れが現れます。そして、内軟骨腫が骨の中で大きくなると骨が薄く弱くなり、骨折を起こします。画像検査(レントゲン検査やCT検査、MRI検査)によって、腫瘍の場所や大きさを調べます。診断を確定するために、病理検査(腫瘍が疑われる部分を取り出して顕微鏡でみる検査)を行い、腫瘍が悪性か良性かを調べます。痛みなどの症状がなければ基本的には様子を見ることが多いです。痛みがある場合や骨折の危険性が必要な場合は手術を行います。内軟骨腫が心配な人は整形外科を受診してください。

内軟骨腫(軟骨腫)について

  • 本来は骨の表面を覆うはずの軟骨が、骨の内部で異常に増えてしまった良性腫瘍のこと
    • 骨にできる良性腫瘍では骨軟骨腫に次いで多い
  • 軟骨の良性腫瘍である軟骨腫のうち、骨の内部にできるものを内軟骨腫という
  • 内軟骨腫は単発性と多発性にわけられる
  • 単発性:ほとんどがこちらのタイプ
    • 1箇所の骨の内部にできる
    • 手足の小さな骨にできることが多い
    • 大腿骨や上腕骨などの大きな骨にもできることがある
  • 多発性:複数箇所で起きる内軟骨腫のこと
    • オリエール病:片側の半身だけに多発する
    • マフーチ症候群:血管腫合併する
    • 上記の2つともに、悪性化するリスクが高い
    • 遺伝的要因があると考えられている
  • どの年代にも起こりうるが、10~40歳に多くみられる
    • 男女差はない

内軟骨腫(軟骨腫)の症状

  • 内軟骨腫ができた部分の痛み
    • 腫瘍による骨が弱くなることで骨折を起こす可能性がある
    • 発症初期は痛みがなく、徐々に内軟骨腫が大きくなると骨が薄く弱くなり、骨折を起こす

内軟骨腫(軟骨腫)の検査・診断

  • 画像検査:腫瘍の有無や大きさなどを調べ、内軟骨腫の特徴を観察する
    • レントゲン検査
    • CT検査
    • MRI検査
  • 病理検査:腫瘍を採取し、良性か悪性か調べる
    • 腫瘍がレントゲンで確定できない場合や痛みを伴う場合に、骨の生検を行うことがある

内軟骨腫(軟骨腫)の治療法

  • 痛みなどの症状が無ければ基本的に治療はせず経過観察する
  • 痛みを伴う場合や病的骨折を起こす危険性がある場合は手術が必要
  • 腫瘍を取り除き、体の他の部分の正常な骨を一部持ってきて移植を行う
    • 最近では切除のみ行い、骨移植はしなくても良いという考え方もある

内軟骨腫(軟骨腫)のタグ

診療科
からだ

内軟骨腫(軟骨腫)に関わるからだの部位