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出血性ショック

出血性ショックの基礎知識

出血性ショックとは?

  • 大量の出血が原因でショック(全身の重要な臓器に十分な酸素が行き渡らないこと)が起きている状態
  • 大量出血する原因は主に2つ
    • けがなどによる体外への大量出血
    • 消化管(胃や腸など)や大きな血管からの出血など、体内での大量出血
  • 出血性ショックが続くと命に関わる状態となる
    • 体内をめぐる血液量が減ることで、臓器に栄養と酸素が行き渡らなくなる
    • DICと呼ばれる病態(全身の血管の中で血が固まること)や多臓器不全が起こる
    • ショックから救命できた後でも様々な全身の臓器の機能低下などが見られ、集中治療をしばらく継続しなければならないことが多い

症状

  • 初期に起こる症状
    • 皮膚症状:青白い、冷汗、冷たい
    • 頻脈:脈が速くなり触れにくくなる
    • 速くて浅い呼吸になる
    • 指先の血流が悪くなり、爪の色が白くなる
  • ショックが進行すると
    • 血圧低下
    • 意識障害
    • 多臓器不全

検査・診断

  • 血圧測定
    • 血圧の低下が最初の診断のきっかけとなりやすい
  • 血液検査
    • 出血の程度や全身の臓器の状態を検査
  • その他に、出血している部位がわからなければ、画像検査を行う場合がある

治療

  • 治療は以下の2つを行う
    • 原因となっている出血を止める治療
    • 血管の中に血液や水分を補うこと
  • 緊急の状態なので、原因検索と治療は同時並行で行われる
  • 点滴で失った水分を補ったり、輸血をしたりする

出血性ショックの経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

出血性ショックとは、ケガによる出血、胃潰瘍や静脈瘤破裂といった消化管からの出血、大動脈瘤からの出血など、出血多量で命の危険にある状態をさす言葉です。このような緊急の状況で診療を行うのが救急科です。

出血性ショックに陥っている状態であれば、意識がもうろうとしたり、ぐったりして自力で病院を受診するのが難しい状態だと考えられます。このような場合には救急車で受診することになるでしょう。救急隊は、近さや病院の専門性を考慮した上で、救命救急センターのような高度医療機関など、適切な病院を判断し案内してくれます。

治療のためには、多くの場合に輸血が必要となります。総合病院であれば大抵はA, B, AB, O型全種類の輸血製剤が常備してありますが、保存期限が限られていることや、献血でまかなわれている輸血製剤全体の量に限りがあることから、小さな病院には少しの量しか備えがなかったり、あるいは取り寄せないと全くなかったりします。各都道府県では緊急の際に輸血製剤を届ける仕組みが整っていますが、出血性ショックの治療は数時間を争うため、基本的には救急車の搬送先も(近さを加味した上で)中規模以上の総合病院となります。

出血性ショックを主に診療する専門医は、救急科専門医です。ただし出血性ショックは、特定の病気の名前ではなく状態を指す用語であり、出血の原因が胃潰瘍であれば消化器病専門医、大動脈瘤であれば心臓血管外科専門医などと連携しながら治療を行っていくことになります。

出血性ショックの診断のために行われる検査は、血液検査、レントゲンCT内視鏡など、原因によって様々です。出血の原因が分からない場合には、胃カメラ大腸カメラなどの内視鏡検査が検討されることが多いです。そのような観点からは内視鏡検査ができる病院が適切とは言えるものの、まずは救命のために一分でも早く治療を開始するため、救急車も近さを優先して病院を選定します。原因を調べるのは、治療が一段落ついてからで十分です。






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