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先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)

先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の基礎知識

先天性甲状腺機能低下症とは?

  • 生まれつき甲状腺の働きが弱く、甲状腺ホルモンが不足する病気
    • 重症から軽症まで症状の出方は様々
  • 甲状腺ホルモンが不足すると、全身の代謝が低下したり、身体や知能の成長が遅れたりする
  • 原因は以下の3つにわけられる
    • 甲状腺が正常に作られなかった(甲状腺が存在しないあるいは違うところに存在する)
    • 甲状腺ホルモンの産生または働きに問題がある
    • 脳が甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを作らせる機能に問題がある(下垂体性、視床下部性)
  • 出生3000〜5000人あたり1人程度に起こると言われている
  • 母親が甲状腺の病気をもっていたり、過剰な海藻摂取やイソジンの使用(ヨードの過剰摂取)が影響している可能性がある
  • 新生児マス・スクリーニングの対象の病気

症状

  • 未治療の場合、甲状腺ホルモンの不足により症状が起こる
    • 身体全体の活発さが下がる
    • 身体の成長、知能の発達が遅れる
  • 乳幼児のころに起こる症状
    • 元気がない
    • 哺乳不良
    • 体重増加が良くない
    • 便がうまく出ない
    • 臍ヘルニアでべそ
    • 舌が大きい
    • 黄疸
  • 幼稚園、小学校に進むころに起こる症状
    • 低身長
    • 知能障害
    • 元気がない

検査・診断

  • 新生児マス・スクリーニングでは血液検査で疑いをつける
    • 新生児マス・スクリーニングの結果、臨床症状、画像所見精査時の甲状腺機能から総合的に診断する
    • マススクリーニングでは血液中のTSHを測定する(場合によってはfT4も測定する場合もある)
  • 画像検査
    • 甲状腺超音波検査:甲状腺の大きさを調べる
    • レントゲン検査:膝の骨の成長の度合いを調べる
  • 血液検査:甲状腺ホルモンなどを調べる
  • 区別するべき疾患
    • 乳児一過性高TSH血症
      ・血液検査で甲状腺ホルモンを調べることで区別できる

治療

  • 甲状腺ホルモン製剤の内服を行うことで障害などを起こさないようにできる
  • 診断が確定していなくても、体内の甲状腺ホルモンが不足していると考えられる場合、甲状腺ホルモン製剤を使用する
    • 甲状腺ホルモン不足により、身体の成長・知能の発達に悪影響が出ないようにする
  • 3歳以降の適切な時期に、原因に関する精査を行う
  • 一過性の甲状腺機能低下症だった場合は、内服を止めることができる場合もある




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