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上腕骨近位端骨折

上腕骨近位端骨折の基礎知識

上腕骨近位端骨折とは?

  • 上腕骨(二の腕の骨)の肩に近い部分に起こった骨折
  • 転んで手をつく、肩から落ちるなど、腕に強い力が加わったときに起こる
  • 骨折に加えて、同時に脱臼を伴うこともある
  • 高齢者の転倒における四大骨折の1つ
  • 成人の骨折の中で4~5%を占める

症状

  • 骨折による肩から二の腕の腫れ、痛み
  • 肩を動かすことはできない
  • 場合によっては神経が損傷し、手のしびれが起こることもある
  • 上腕骨の骨折であれば、手を握ることは問題ない

検査・診断

  • 画像検査:骨折の程度や骨折部位がずれていないかなどを確認する
    • レントゲン
    • CT
    • MRI

治療

  • 骨折の程度によって手術をするかしないかを決定する
  • 保存的治療:骨折による骨のずれ方が少ない場合は、三角巾やバンドで腕を体に固定し治るのを待つ
  • 手術:骨のずれが大きいまたは骨のかけらがある場合に行う
    • 髄内釘固定法
    • プレート固定法
  • 骨折がひどい場合は人工骨頭置換術を行うこともある
  • 手術後早い時期(2~3週間後)からリハビリテーションを行うことが大切
    • きちんとリハビリテーションをすることで、肩の動きは取り戻せることが多い
    • 筋力トレーニング、日常生活の動き(例えば、重い物を持ち上げたり、洗濯物を干す動き)の確認、関節ができるだけ固まらないようにする練習、などを行う
  • 高齢者は転倒を予防することが重要
    • 運動習慣をつける
    • 認知機能を低下させない

上腕骨近位端骨折の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

上腕骨近位端骨折は、腕の付け根、ほぼ肩の近くに起きる骨折で、特にご高齢の方に多いです。強く打ったりひねったりした後から肩が腫れて強い痛みがある場合には上腕骨近位端骨折の可能性がありますが、それ以外にも肩の脱臼、鎖骨の骨折、肩腱板断裂といった疾患が同様の症状を引き起こします。ご自身でこのうちのどれかを診断するのは必ずしも容易ではありません。実際に医療機関を受診された後は、上腕骨近位端骨折の診断は診察とレントゲンで行います。場合によってはエコーCTを補助的に使用します。

ご自身の症状が上腕骨近位端骨折でないかと心配になった時、まずは整形外科のクリニックや、お近くの救急外来を受診されることをお勧めします。肩の脱臼や鎖骨骨折であればクリニックで対応が可能です。上腕骨近位端骨折で手術が必要そうな場合には、レントゲンやその他行われた診察、検査の結果をまとめた診療情報提供書とともに、手術可能な病院を紹介してくれます。

受診先として、総合病院の救急外来は相対的に待ち時間が少ないというメリットもある一方で、専門の整形外科医ではなく広く浅く診察をする救急医が初期対応に当たることになります(日中は救急外来が開いていないこともあります)。総合病院の整形外科外来は、飛び込みで受診するには患者数が多く(待ち時間が長く)、また診療情報提供書を持っていないと受診ができなかったり、追加料金が必要となったりします。


この病気でお困りの方

上腕骨近位端骨折の場合、ごく軽度の骨折であれば手術をせずに三角巾で安静にして治すこともあります。それを除けば原則は手術が必要です。上腕骨近位端骨折は、診断がつき次第その場で治療が開始されますので、どこでどのような治療を受けるかを迷う余地は少ない疾患かもしれません。

手術後は、あまり安静にし過ぎているとかえって関節が固まって動かしづらくなってしまうため、痛みに耐えられる範囲で早期からリハビリテーションを開始していきます。





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