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ベーチェット病

ベーチェット病の基礎知識

ベーチェット病とは?

  • 全身に炎症が起こる病気
  • 遺伝的要因に加えて、感染症や他の環境要因が加わることによって免疫が刺激され炎症を引き起こすのではないかと考えられている
  • 近年、関連する遺伝子が報告されてきている(HLA-B51、A26)
  • 日本の患者数は18000人を超える
    • 男女差はない
    • ただし、若い男性で重症化しやすい傾向にある(特に内蔵病変、神経病変、血管病変)
    • 日本では北海道、東北に多い(北に多い)
  • 日本をはじめ韓国、中国、中近東、地中海沿岸諸国に多く見られる
    • シルクロードに沿った国に多く見られる

症状

  • 皮膚の症状
    • ふくらはぎや腕に赤いしこりができる
    • ニキビに似た病変で、顔や首、胸にもできる
  • 粘膜の症状
    • 外陰部潰瘍
    • 繰り返す口内炎
      ・患者の90%に生じると言われている
      ・唇や頬、舌、歯ぐきにできる
  • 眼の症状
    • 虹彩毛様体炎網脈絡膜炎などが両眼に起こる
    • 霧視、視野障害などが起こり、ひどい場合は失明に至る
  • 関節の症状
    • 左右非対称に手首、足首、肘、膝などの関節炎が生じる
    • 関節が腫れることが特徴的
  • その他の症状

検査・診断

  • 皮膚の診察
    • 針反応:注射針を刺した後がツベルクリン反応のように赤く腫れる
  • 血液検査:炎症が起きていないかなどを調べる
  • 遺伝子検査:HLAによりリスクが評価できる(ただし、健康な方でも陽性となるので注意が必要)
  • 視力検査/眼底検査:眼の病変の評価
  • 髄液検査腰椎穿刺により髄液を採取して、髄液中の細胞やタンパクの状態などを調べる
  • 下部消化管内視鏡(腸管病変が疑われる場合)
  • 造影CT検査(血管病変が疑われる場合)

治療

  • 病変のある部位それぞれに対して治療が行われる
  • 眼の治療
    • 虹彩網様体などに病変が留まる場合
      ステロイド点眼剤
      ・散瞳薬
    • 網膜脈絡膜炎(視力の経過に関わる)の場合
      発作時にステロイド薬が局所または全身に投与される
    • 視力の経過に関わるため発作がなくても予防する場合
      ・インフリキシマブ(近年保険適用になり効果を上げている分子標的治療薬)
      ・コルヒチン(炎症を抑える)
      ・シクロスポリン(免疫抑制薬)
      ・アザチオプリン
  • 口や陰部の治療
    • ステロイド薬の軟膏を塗る
    • 常に清潔にする事が大事
  • 皮膚の治療
    • 内服薬で治療
      ・コルヒチン(特に結節性紅斑に有効)
      ・セファランチン(アレルギー反応を抑える)
      ・エイコサペンタエン酸(抗血小板作用)
  • 腸管の治療
    • 炎症を抑える
      ・ステロイド薬
      ・メサラジン
      ・サラゾスルファピリジン
      ・アザチオプリン(免疫抑制薬)
      ・インフリキシマブ、アダリムマブ
    • 手術による病変部を切除する場合もある
  • 関節炎の治療
    • コルヒチン
  • 神経症状の治療
    • 急性期症状の場合(髄膜炎脳幹脳炎など)
      ステロイドパルス療法
  • 血管病変の治療
    • 免疫を抑える
      ・ステロイド薬
      ・アザチオプリン
      ・シクロフォスファミド
      ・シクロスポリン
       ※本疾患は動脈瘤の合併も知られるため、血栓症に対する抗凝固薬の使用は賛否両論ある
  • 一般的に主症状は発作を何度も繰り返すが、10年ほど経過すれば症状は落ち着く
  • 眼の病変がある場合は進行すると失明する可能性があるため注意が必要




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