医師たちがつくる病気事典メドレー

サルコイドーシス

サルコイドーシスの基礎知識

サルコイドーシスとは?

  • 全身の多くの臓器に肉芽腫(免疫細胞が集まってできた固まり)ができる病気
    • 主に肺(約90%)、眼(20%)、皮膚(10%)に起こる
    • 心臓や神経にも病変が起こることがあり、そのような場合は重症化することが多い
  • 主な原因
    • 感染症または免疫系の異常反応によって発生する
    • 遺伝的な要因が関わる場合もある
  • 頻度
    • 人口10万人あたり、10人程度
    • 男性に比べ女性の方が若干多い
    • 20〜30代と40−50代で発症しやすい
  • 厚生労働省の特定疾患に認定されている

症状

  • サルコイドーシスと診断された人の1/3は症状がない
  • 主な症状
    • 肺(肺サルコイドーシス)
      ・咳
      ・呼吸困難
    • 眼(ぶどう膜炎網膜静脈炎が起こる)
      ・視力の低下
      霧視(かすんで見える)
      ・まぶしい
      飛蚊症(小さい物が視野内で移動する)
    • 皮膚病変
      発疹
    • 心臓の異常(心サルコイドーシス)
      失神、脈の抜け落ち(不整脈房室ブロック
      ・息切れ、足や全身のむくみ心不全症状)
    • 神経の異常(神経サルコイドーシス)
      ・意識がぼんやりする、意識障害髄膜炎、脳炎、水頭症
      ・顔の筋肉の麻痺顔面神経麻痺
      ・尿の量や回数が多くなる(中枢性尿崩症
      ・けいれん
      ・人格の変化
  • 肺、眼、皮膚に症状が出やすい
    • まったく症状が現れない、または症状が軽いことも多い
  • 心臓や、神経の障害も起こるが、そういった場合は重篤な状況になりやすい
      ・サルコイドーシスと診断された患者のうち、約10%で重い症状が出る

検査・診断

  • 血液検査
    • アンジオテンシン変換酵素(ACE)という値が上がるのが特徴的
    • カルシウム濃度が上昇しやすい
    • その他には血球の減少などを調べる
  • 尿検査
    • 尿中のカルシウム濃度が上昇する
  • ツベルクリン反応検査
    • サルコイドーシスによって検査結果が陰性化しやすくなる
  • 画像検査:肺のリンパ節の大きさや肺の中に影がないかなどを調べる
    • 胸部レントゲン
    • 胸部CT    など
  • 気管支鏡
    • 肺に障害がないかを調べる
    • 気管支内を水でゆすいで、そこから検出される免疫細胞の種類を調べる
    • 気管の血管が特徴的に変化していないかを見る
  • ガリウムシンチグラフィ
    • 異常にガリウムが集積している場所がないかを調べる
  • 蛍光眼底造影検査
  • 組織診
    • 皮膚や肺などの組織を採取して顕微鏡で調べて(生検する)、肉芽腫があるかどうかを調べる
  • 全身の臓器に異常が起こる可能性があるので、様々な検査が必要になる場合がある
    • 症状が出ている部位に合わせた特有の検査も必要に応じて行う

治療

  • 多くの場合は治療の必要がない
    • 60〜70%は自然に治癒する
  • 重症の場合:神経サルコイドーシスや心臓サルコイドーシスでは、ステロイド薬を使う
    • 眼や皮膚などの症状に対してはステロイド点眼薬や軟膏などを使用する
    • 進行が速い場合や、肺や心臓、神経などで重症化した場合は入院してステロイド薬の治療をする
    • ステロイド薬は副作用のコントロールも重要
    • ステロイド薬を減量または中止すると、再燃することがあり、長期間にわたり治療が必要
  • 免疫抑制薬を使用することがある
  • 眼の炎症による虹彩の癒着を防ぐため、散瞳薬を使うことがある
  • 症状が無くても再発することがあるので、年1〜2回、定期検査を受けることが必要




version 7.4(β)
本サービスにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。本サービス上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
©Medley, Inc. All Rights Reserved.